舟を編む

今季終了第8弾。少し目から鱗の物語だった。
いつものノイタミナ枠として見ていたけど、「辞書を作る」ことに時間軸を据えて、そこにキャラをぶら下げる手法はなかなかに興味深かった。辞書の編纂はなーんとなく知ってはいたけど、こういう形とはいえそれを知れたことは非常に感謝している。なんとなく時間はかかるものとは思ってはいたけど、人の出会いや生死が当たり前のように発生するほどの時間の中で作成されていることは正直なところ驚きだった。良いお仕事アニメだったと思う。
しかし馬締と林があっという間(なんだろうか)に一緒になったのはともかく、子供を作らなかったのがちょいと驚いたかな。まあふたりとも仕事が忙しそうだし生きがいみたいなもんだから、それはなくてもいいか、と割り切った結果なのかもしれないし、それはそれで「らしい」気はした。その代わりが西岡さん一家だったのかな。

バーナード嬢曰く。

今季終了第7弾。続きが見たい。
原作既読。原作者の要望でキャラはアニメ用に可愛くリファインしたようだけど、正直それを抜きにしても十分に面白かった。特に神林のキャラ立てがいい塩梅だったように思う。そして一応本読みな自分にとって色々耳の痛いアドバイスをありがとう、神林(苦笑)。もうちょっと真面目に本を読もう…と思いつつも、体力や仕事でなかなかその時間が確保できないジレンマも悲しい。
しかしこれはほかの視聴者も思っただろうけど、町田さわ子、お前どうこう言ってそれなりに本読んでいるやん!しかも現在巷に氾濫しているラノベじゃなくて、分量はともかく古今東西の文豪作品(翻訳)にちゃんと触れているだけで、すでに本読み初級はクリアしてるよ!

WWW.WORKING!!

今季終了第6弾。なんかあっさりとくっつくな。
原作未読。1クールで、かつスピンアウト作品ってだけあって、基本的には眺めて終わるだけの作品だった。いや、正直主人公と先輩が「付き合わない」エンドもあってよかったと思うんだけど、なんかあれやこれやと後半は物置整理のようにカップル成立続出してしまったのが萎えた…というか「ふーん」という身もふたもない乾燥しか残らなかった。物語構造も本家と似てたしね。

文豪ストレイドッグス 第2期

今季終了第5弾。前半は必要だったのか。
原作既読。すぐにギルド戦が始まると思ったら、見たことがない過去話が始まったのはかなり驚いた。その話自体はよかったのだが、それ故にギルド戦がひたすら原作をなぞるだけになってしまってそこが非常に残念だった。前半の過去編であそこまでやれるのであれば、むしろギルド戦のそれぞれの戦いをもっとじっくり見たかったのが正直なところ。
個人的にはラブクラフトvsQを特に楽しみにしていたんだけど、本当に原作そのままであっさりと終了したのががっかりだった。狂気小説の本人がコズミックホラーの権化をのぞき込んだらどうなるのか、そしてラブクラフトの恐怖が「物理的や見た目の怖さ」以上に「まったく人知では理解できないが、理解できないがゆえに強い好奇心からさらに理解しようとして、答えのない思考迷路に放り込まれる」という「思考の恐怖」だったんだけど、ここが原作と全く同じで(かつ見せ方まで)残念無念。
最終話の引きからすれば、第三期もやる気満々らしいので、1-2年以内には続きが見れるのかな。

終末のイゼッタ

今季終了第四弾。尺が足りなかったかなあ。
ミリタリー枠としてはそれなりに満足できた。キャラも結構気に入っていた。舞台装置もいくらでもいじり甲斐がある気がしたのだが、縦横無尽にそれを使い倒すにはこの話数はかなり短すぎたか。その弊害は脚本に直接表れてしまっていて、尻切れトンボではないにせよ「物語の中抜き」が多く、次に物語を動かすことを理由にしたあからさまな脚本誘導が物語中盤目についてしまった。
ミリタリーや戦闘描写は特に文句はないし(ミリタリー系ゲーム&出版がバックについただけのことはある)、キャラもなかなかに魅力的。結構あっさりと退場してしまうのも、変な英雄補正がないことを考えると因果応報的で悪くなかった。その前提だけでも、より容赦のない「戦争」を描く材料がたくさんあったはずだ(少なくとも重要そうなキャラをああやって撤収させられる覚悟があったのだから)。なので、せめて2クール分枠を確保して、じっくりと攻めても良かったんじゃないかなと感じる。まあ、今時完全オリジナルで描写も大変そうな話を2クール分お金を出してくれるところもないと思うけど。
イゼッタの最終決戦の詳細とか、その後の物語とかをもっと詳細に知りたいところだけど、後日そのあたりを小説か何かで出してくれる予定はないのかな。ぼったくり価格でなければ読んでみたい。

Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-

今季終了第三弾。ラスト数話の展開はなかなかに良かった。
シュタインズ・ゲートから続く系統の新作としてはちょっと盛り上がりに欠けたかな。舞台装置…というか、シュタゲ同様に、科学と魔術概念がどことなく混同していた1900年代後半の技術やオカルト的な歴史をベースにした設定を考えた時点で満足してしまって、それを舞台設定に落とし込む際にずいぶんこじんまりしてしまった感が強い。もっと世界を広げていれば面白いと思ったんだけど、なんというか…仲間内で楽しむオカルト系TRPGのシナリオを読んでいる気分だった。
キャラは正直かなりエキセントリックすぎて少し引いたところがあるのは正直なところ。でも謎解きルートからヒキオタニートから英雄へのランクアップシーンは、まっすぐだけど現代らしい味付けのされた展開で血が滾ったのも事実だ。最終回を見終わってからは、もう少しこのキャラたちを眺めていたいな、と素直に思った。ゆえに、ゲームも買う方向かな。
というか、あの終わり方はおそらくゲームの中では「通常エンド」の一つであって、いわゆるTrue Endではないということなんだろう。ゲームが発売してある程度売れたならば、真エンド用の続編が出てくるのかもしれない。

魔法少女育成計画

今季終了第二弾。予想はしてたがここまで血みどろとは。
原作未読。当初からまどか☆マギカのフォロワー作品であることは予想していたけど、よもやここまで血なまぐさい話とは思わなかった。また生存者が誰になるかという点は、主人公以外はほぼ外れ。というか、早々にほぼ全滅ルートが確定とは…。なんというか、現代日本において「魔法少女」という仕事ほど、虚栄にあふれる命がけのものはないよなあ、と。誰がこんな流れにした!…ってまどか☆マギカに決まっているけども。ああでも「キュゥべえを倒せたまどか☆マギカ」という読み方ができるという点においては、少しスッキリした作品ではある。まあ底までがあまりにひどすぎて、プラマイゼロになったとは到底思えないけど。
ただ話としては単なるバトルロワイヤルであってそれ以上でもそれ以外でもない。主人公スノーホワイトもどちらかといえば傍観者であって、基本は単なる群像劇。「死人候補確定>ちょっとしたエピソード>殺される」を人数分繰り返しただけとも言えるわけで底が浅いことも事実。作者自身もそこまで深堀するような物語にするつもりはないと思うけどね。「現代日本のサブカル魔法少女事情」のサンプルの一つ程度で忘れ去られる作品になるのかな。