異世界食堂

今期終了分。ぎりぎり赤点、かな。
原作未読。作品としてのコンセプトはわかったんだけど、どうにもそこを生かし切れていない感じがすごかった。ラノベやなろう系で受けているキーワード「異世界」「食べ物系」を使うということだけで描き始めたけど、コンセプト設定でほぼ終わってしまって、あとはキャラと料理を繰り出すだけで精一杯になった、という。
この手の作品だと「料理」をいかにうまそうに見せるのかがポイントだけど、「一枚絵」としてのきれいさだけを求めた結果、シズル感というか、動画としての「うまそうに魅せる絵」が完全におざなりになっていた。つまり「食品サンプル」みたいな絵でしかない。例えばスプーンですくった後に周りが少し崩れる様子、スープやトロミがじんわりと動く様子、そういうものがほとんどなかった。それは作品のテーマとしてはかなり致命的。
ファンタジー世界の住人が入れ代わり立ち代わり訪れてちょっとした交流をする、というのは悪くないけどそれも完全におまけ程度だったし、それ自体にサプライズや仕掛けがあるわけでもない。正直言えば、最終話の店主の正体?の話は「心の底からどーでもいい」話だった。それをやるなら、「店の扉の時空ワープ」とその理由にもっと焦点を、なんなら中心に据えて物語を再構築した方がはるかに良かったと思う。

アホガール/徒然チルドレン

今期終了分(15分枠)。

結局、主人公よし子へのイラつきは相方のそれと同じく改善されることはなかったけども、「OPがファフナーと溶接できた」「ガングニール母子」といった部分で楽しめたので、良しとする。うん。

Pixivでの連載(?)を見ていたので、「同アニメに落とし込むのかな」という視点でずっと見ていた。作者の”らしさ”はそれなりに残されていたので、それだけでもよかったかな、と。特に恥ずかしくて仕方ない時の「口の表現」がすごく好きなので、それをそのまま再現してくれたのは嬉しかった。
ああでも、ヘタレオタクカップルは、ちゃんとコミケの回までやってほしかったなあ(二期をやるつもりで、そっち用なのかもしれないけど)。

セントールの悩み

今期終了。ディストピアの空気が最後まで。
原作は1巻のみ既読。原作の時点で「なんか変な空気だな」とは思っていたけど、そこをアニメでがっつりと理解させてくれたのは良かったと思う。色々本作の歴史を紹介する中で、極端な差別意識による迫害闘争の末に、極端な平等意識の埋め込みという「正解ではないけど、最悪より良い」という選択肢を選んだ世界の物語なのだな、と。
そういう政治的な話をするのかは、おそらくアニメ化するときもずいぶん議論したのだろう。そのうえで、あのナチスユダヤ迫害や、民族闘争的な話をあえて丸ごと一本分放送したのは英断だと思う。それだけでも、本作をアニメ化した価値はある。
まあ、本来は原作を読んでの換装とするべきなのだろうけど、原作者はこういう世界観を提示することで、現代社会への強烈な皮肉を語っているんだろうな、と思う。ネットの評判をつまみ食いする限り、実際に原作側はどんどんそういう話が増えているというし。いろんな意味でよくやっていると思う。
なおお気に入りは委員長だったりする。やっぱこういうまじめなキャラが好きなんだな、俺。

サクラクエスト

今期終了分。気が付いたら村おこしアニメになっていた。
P.A.Worksのお仕事アニメは鉄板、というのはひとまず守れたと思う。正直なところ、最初は「チュパカブラ王国」という(過去の)独立国家ブームをネタにした田舎話程度の理解だった。で、主人公と地元民との交流を楽しませてもらっていた。なので、実際のところ、「これ、現実事例を踏まえた村おこしアニメだー!」ときっちり頭で理解したのはずいぶんあとになってのことと記憶している。それだけ、作中のキャラの動きや心情が「村おこし」というキーワードにとらわれる必要がない程度に自然だったということと思っている。
物語の最期がああいう形になったのも、下手に現実離れした結論を持ってくるよりもはるかに好感が持てた。おそらく、近い将来に間の山は吸収合併されてしまう運命なのだろうと思う。でも、その時に彼女らの活動が実を結んで、それこそ「100年たっても間野山という名前が残る」結果が残るということになるんじゃないかな、それが本当のエンディングじゃないかな、と考える。その時の最期のシーンは、あの駅舎が「木工彫りで埋め尽くされる」ところになると信じている。

ゲーマーズ!

今期終了分。もっとゲーム寄りの話と思っていたんですが。
原作未読。まさかの縺れ系ラブコメだったとは思わなかった。というか、なんか登場人物全員が「示し合わせてわざと遠回りして誤解率を向上させている」ようにしか見えず、どんどんイライラしてきたのは正直な気持ちだったりする。度を越えてひどくなってしまった結果、なんかもう最後のころには「いっそ誤解がこじれてSchool Daysな展開になってくれた方がええわ」と半ば本気で思ってた(おい)。
その解消のため?なのか、最後にお風呂回&色々考えてはいけないゲーム業界ネタで埋めてくれたのはちょっと楽しかったけど。
仮に二期があったとしても、多分同じことを繰り返すだけなんだろうなーと思うので、であればべつにいらんかなと。

賭ケグルイ

今期終了分。正直タイツ目的でした。
原作未読。ギャンブル漫画において、勝敗ではなくギャンブル行為そのものを目的とするキャラは、正直今までなぜ出てこなかったのかと思うほどにレアだったので、実は主人公の行動原理を知った時には少しほっとした。
人の欲望をあからさまにどこまで見せるのかがこの作品のコンセプトだったようだけど、少なくともその点については顔芸の頻出という面でクリアしていたように思う。あと、フェチなエロもいいね!

今日は一日“超絶テクニカル・ギタリスト”三昧

www4.nhk.or.jp
改め、「今日は一日NONさんって何者三昧」。
正直、広いジャンルから「超絶ギタリストの名演を聴かせてくれるのかな」と期待していたんだが、結論から言えば95%がHR/HM系列。ごくまれにフュージョンとかプログレがかかっていた程度。まあ、アナウンサーとかゲストがそっち系ばかりだったようなので、ある意味予想通りと言えた。
でまあ「ならHR/HM三昧と変わらない」と思っていたわけで。そこはアナウンサーも「そういうコメントがSNSで出ていますが、最後まで聞いていれば!」と自信をもって語っていたので何が出るかなと聞き続けたけど、結局のところ「セーソクさんが締めているHR/HM三昧なら確実にかからないであろう曲」がたくさんかかっていた、ということのようだった。いや、それはそれでうれしいんだけどね。きっちり10年区切りで黎明期から2000年代までを紹介していったわけで、HR/HMということであれば、セーソクさんの三昧よりも明らかにジャンルは広くとられていた。とはいえ、期待していたのは「幅広いジャンル」だったので、そういう意味ではやはり残念だったかな。
ただし。
「ギタリスト:NON」という方がとんでもなかった。「これはギタリストにはむつかしいんですよ」とか呟きながら、超絶テクの解説を「ご自身の生再現」であっさりとギターを弾いていて「え、何この人こわい」という状態。しかも、最後まで正体を明かさずに終わり、NHKのブログでも公開されたのは「櫛」だけ(苦笑)。あとからTwitterや2ちゃんのログを漁ってみたけど、明確に特定できた人は見当たらなかった。
おそらく「凄腕のスタジオミュージシャン」か「名前を隠した有名ギタリスト」なのだろうけど、なんせ「NON(無/否)」なんて名前を使っているし、ググっても何も引っかからないしで、正体はいまだわからず。もし第二回があれば、そこで紹介してくれるのかなあ。