大和ミュージアム

公式HP:http://yamato.kure-city.jp/
あるいは「呉市海事歴史科学館」(こっちが正しい名称)。開館以来関係者の予想を大きく上回る集客状態になっているというここを見てきた。土日祝日は大変混んでいるという噂だったので心配だったが、「混んでいたけど閲覧にはほとんど支障がない」という最適レベルだった。ちなみに、暑いし蒸していたけど海風・山風が流れているせいか、首都圏の地獄のような蒸し風呂と比較するとずいぶんマシだった。
印象としては、確かに「大和ミュージアム」ではあるだけど、内容としては「海事歴史科学館」の名にふさわしいものだったかと。明治維新から現代まで時代とうまくリンクさせて展示しているので、非常にわかりやすい。そのせいか、各所にある各展示物やビデオ映像に最初から最後まで見入っている人が多い。特にこの手の内容(戦争や兵器や工業の話)には一番関心が無いと思われる若い女性陣(一人・彼氏連れ・家族、色々あるけど)も飽きることなくしっかりと見て色々考えている光景は珍しいと思う。見に来ていた年齢層も老若男女揃っていたし。

  • 良かったぞ
    • やっぱ大和の模型。模型と分かっていても、流石にこの規模になると迫力が違う。ちゃんと掃除をしているのか埃が無かったのも好感度アップ。
    • 太平洋戦争当時の兵器(特に特攻系兵器)の現物展示も凄かったけど、砲弾の実寸模型(あるいは本物)が迫力。こんなでかい鉄のかたまり当てられたら、そらたまらんわ。
    • 展示方法が非常にわかりやすい。特に歴史と町の発展と海軍史やら呉・広工廠で建造された軍船の一覧がうまくリンクされていたので、見ていてまったく飽きなかった。
  • ちとこれは・・・
    • 元々呉が造船・工業・海軍(=海自)の町というせいだろうけど、とにかく「名物料理」というのがない。地方に行って現地のおいしい料理を食べるのも楽しみなんだが、ここまでないのも珍しい。それらしい物の大半は、大和/海軍/海自をネタにした商品だけど、既存品のラベルを変えただけっぽいとか他の海自駐屯地のある町でも発見できそうな物ばかり。製造元ラベルの住所から色々土産物屋も探してみたけど・・・しらすやワカメのような物しかなかった。あと建物の周辺になると大きなデパートはあるけど、中〜大都市に住んでいる人にとっては今更行くような物でもない(現地に住んでいる人にとってはとても便利だと思うけど)。
    • 松本零士名誉館長のいつものネタが「未来」コーナーとして常設されているけど、それまで事実に裏打ちされたリアルな内容をずっと見てきたので、どうしても浮いてしまっているように感じる。松本零士作品は好きなんだけど、もう少し展示方法を考えた方がよいかも(通路から少し離れたところに置いてあるのは、それを理解しているせいか?)。
    • 終戦以降の展示内容が急に淡泊になっている。理由は分からなくもないけど、造船技術の未来展開をメインにするなら、ああいう高校の文化祭みたいな見せ方ではなく、宇宙規模まで視野に入れた上で、模型等を使って伝播技術の関係性を視覚的・立体的に見せれば面白いと思うのに。宇宙工学まで持って行ければ、職人目指す若い子供だって出てくるかもしれないのに。