ストライクウィッチーズ

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ストライクウィッチーズ 限定版 第2巻 [DVD]

ストライクウィッチーズ 限定版 第2巻 [DVD]

今期終了第2弾。話題性では今期No.1間違いなし。
先に最終話について。物語のラストとしてみるとちょっと唐突観がある。あの話からすると、各方面にでっかいネウロイの巣が一つあって、それをぶちこわせばその方面は勝利のようだけど、流石にあっさりしすぎでは(というか同様の作戦を組んだら楽勝?)。過去の「戦闘や人命を含めた大規模な損失・被害・被災者の存在」があってこその現在なのに、えらく簡単に終わってしまって「勝利の重み」があんまりない。史実では「1944年8月・パリ開放」でテレビ放映時期(9月)もあったからこういう展開にしたのかもしれないけど。
結局「ネウロイとはなんぞや」「友好的に見えたネウロイは何だった?」はまるで提示されなかったしねえ…。ガリア〜ブリタニア西部戦線は終了してしまったから、もはや語られることもないだろう。じゃあ、他の戦線はというと、スオムスの北方戦線(「いらんこ中隊」)は百合一色でそっちの話をするつもりはない。アフリカ戦線は「アフリカの魔女」を見る限り一番設定&ミリタリーへのこだわりが強そうだけど、なにせ同人として発表されてしまうくらいだから今後の展開は期待できず。残る東部戦線(ウラル〜カールスラント)と太平洋戦線は、発表機会すらあるかどうか未定。人気が続いた場合、アニメか資料集とかで裏設定含めて発表があるんだろうか。ともかく、そういう設定面のもやもやが残ってしまうのは残念ではある。女の子の魅力&戦闘シーンは問題なし。でも今回の一番は「リーネ走り動画」であることに異論はないだろう(おい)。
ラストを見る限り、「その気になれば第2期もあるかもしれないけど、それは今後の評価と売上次第」というところかな。もうちょっとだけ軍ネタと戦車娘系を見せてくれるなら、第2期も見てみたいと思う。

Cパートの読み解き(妄想版)〜主に同人誌「アフリカの魔女」の資料から〜

  • カールスラント三人組は東部戦線に異動、祖国奪還作戦に従事?
  • エイラ&サーニャは北方戦線に異動?退役かもしらんけど、引く手あまたのウィッチーズがそう簡単には…。
  • シャーロット&フランチェスカはアフリカ戦線?ということは、リベリオンがアフリカ上陸?(砂漠パスタはお約束。ただ、実際には与太話の類らしい)
  • リネット&ペリーヌはガリア復興。ド・ゴール還ったのかな?東部戦線への協力はなしか。
  • 扶桑組は帰国。坂本少佐はウィッチ退役後教官職、宮藤は退役。
  • ラストの「陸軍飛行第47中隊の諏訪あまき」。陸軍飛行第47戦隊は史実でも歴戦部隊として有名だけど…やっぱ元ネタの軍人さんいるのかな。

さてさて。放送前は全方位攻撃にさらされていたのに、最後は高評価&世界規模に有名*1になってしまった作品になったよなあ。まさにスタッフの強引な力押しの勝利。個人的に痛快だったのは、昨今の生真面目な評論家相手の作品ではなく、日本アニメが本来持っているカオスと技術とこだわりと煩悩を一点集中させた怪作に対して、これだけの評価が来たというその一点につきる(笑)*2。評価の主流はパン○アニメ&メカ娘アニメだろうけど、それ以外にも所謂アニメヒロインのテンプレートをうまく生かした女の子配置、全編通しての高い作画&動画レベル、軍オタじゃないと分からないような非常に細かいネタの数々の埋め込み(メジャー系からマイナー系まで)、そして「音」へのこだわり等々、まったく手を抜かずに作ったスタッフ側の熱意の部分も評価につながった部分だろうと思う*3。しかも「軍や戦争にはまったく興味なし」「美少女アニメはちょっと・・・」という「片方にしか興味がない」人たちでも楽しめた作品になっていたのが、また良かった*4。・・個人的に残念だったのは、女の子のかわいさ『のみ』を前面に出すことに集中したことで、戦争描写とか戦車系メカ娘の登場がなかったことくらいかなあ。まあ、作品の方針が早期に公表されたのでさほど批判するつもりはないけど。(メディアミックスで色々やるという方針もあるかもしれんし)
こういう様子を見ていて思い出していたのが、一時期評判になった「ストラトスフォー」。全体的な評価としてはストウィチが上なんだけど、「スタッフ側の異常なこだわりと熱意」がファン側に正しく評価された作品という意味でとても共通点が多いと思う。*5
面白かったのが海外の反応。ニコニコやYouTube、海外ファンサイトなどで感想を見てみると、評価や話題点が日本のアニメファンと一緒だったのが微笑ましい(賛否含めて、ね)。あと、「日本のアニメに、俺の国のキャラがいる!」と素直に喜んでいる人が多かったのが印象的。特にアメリカ・イギリス・ドイツ以外の皆さんの間では顕著で、フィンランド人(スオムス→suomiフィンランド)やロシア人(元ネタの人は有名なロシア魔女飛行隊隊長にして英雄リディア・ウラジミーロヴナ・リトヴァク)、カナダ人(リネット・ビショップの元ネタの人は英国空軍所属だけどカナダ出身)の反応は微笑ましいを通り越して異常(笑)。Vocaloidもそうだけど、こういうのを見ているだけだと「発想を変えてしまえば、世界平和って案外近くにあるのかもなあ」と思ってしまったり。

*1:ニコニコ動画YouTubeでも話題になったため。

*2:というか、PTAや良識のある方々の眉をひそめさせてナンボと思うよ、日本のアニメは。世界にマニアが多発した理由の一つは間違いなくここにあるし。真面目&高尚だけだったら、所謂オタク文化なんぞなかった。

*3:高村監督の開き直りすぎた総指揮が一番かもしれんけど(苦笑)。

*4:2chの兵器擬人化スレ、MC★あくしずの(ある意味における)先駆性もたいしたもんだけど。基本的にこの作品を嫌がるのは「ギャルアニメ嫌い」「兵器や過去軍人の擬人化&パロディ大反対」「戦争への萌えを持ち込むことを嫌悪」「アニメに性的描写なぞ言語道断」という方々ぐらいじゃないだろうか。

*5:あえてストラトスフォー側の方が勝利と言えるのは、マルチメディア展開も全くない中でファンの熱意だけでOVAシリーズが数回作られたという点かな。