「おせん」休載とドラマ化、その騒動

きくち正太原作の「おせん」という漫画がある。いわゆる「グルメ漫画」「和風推進漫画」で、自分もファンである。これがかつてドラマ化されたことがあったが、自分も含めて原作ファンにとっては黒歴史扱いで、存在自体も否定したいほどの内容だった。不思議だったのが、これと時を同じくして連載もぴたりと止まってしまった。しかもエピソードのクライマックス直前で。通常、ドラマ化となれば原作漫画を掲載している雑誌でもお祭り騒ぎになり販促も活発になるのだが、その逆を行ったこの反応に、「原作者重病説」から「原作者がドラマに入れ込んでいる」説、「抗議説」まで色々飛び出していった。
原作は先日ようやく復活して胸をなで下ろしていたのだが、今回の騒動の顛末一部が「プレジデントFamily 2009年1月号」という雑誌に作者インタビューの形で掲載されていたらしい。以下のブログや記事にまとめられているので、興味があればご一読を。
あまりにも被害が大きい害虫は速やかに駆除されるべきである - がるの健忘録
きくち正太さんの「おせん」休載の理由。 - お金に苦労しない生活を!
http://www.222.co.jp/NetNews/Article.aspx?ASN=24014
過激な物言いになっているところもあるけど、ようするに「ドラマ側が原作を完膚無きまでたたき壊してしまった」「あまりのショックで、原作者側は筆を持てなくなった」ということのようだ。漫画とドラマは違うものであるし、ある程度の相違は目をつぶるべきと思う(特に原作が終了していない場合)。また原作クラッシャーにしても、「原作の雰囲気を良く理解した上で、さらに解釈してみました」というものならばあまり文句もない。しかし、今回は最悪の方向に進んでしまったようだ。そして、漫画原作のドラマ化は往々にしてこの傾向が強い。上記ブログの一コメントにもあったけど、ドラマ側の人間の横柄さが理由の一つと思われても致し方ないと思う。
ともあれ、きくち正太は家族の支えによってなんとか復活した。これからも頑張って欲しいと思う。