けいおん!

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けいおん! 1 [DVD]

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今期終了第3弾。1クールで2年間とは飛ばしたなあ。
ネット界隈では熱狂的なファンが多数いた本作だけど、じゃあ自分はどうかというと「評価は高めだけど、熱狂するほどじゃない」という感じか*1。スタッフの多くが京アニ女性陣が中心ではあったけど、その成果が随所に現れていたのかというとちょっと首をひねる。細かい所作(=作画監督)や女の子どおしの他愛もないじゃれ合い等(=演出)は、流石に同性だなあと思える部分もあったけど、それ以上に「良くも悪くも現在の日本アニメ慣れ」ないしは「京アニ風のアニメ慣れ」している面が多かったように思う。つまり、「せっかく女性中心というスタッフィングなのに、その色合いがあまり活かせなかった」と。
そう言う面を考えると、なんというか…本作は京アニ内部的には「新スタッフのための実験作」という色合いが強かったのかもしれない。んで、思いの外好評だった、と。実験作だから、物語展開が駆け足過ぎていても、「どうやって物語を見せるのか」というより「どうやって2年間という作中スパンを12話で納めるか」に重きを置いていたと考えれば納得がいく。後半加入したあずにゃんはOPでも主要4人の絵面に割り込むことが出来なかったのもその辺が理由か。
最期に作中商品とのコラボレーションについて。厳密に言えば、京アニ側はまったく意図していなかったはず。ただ、スタッフ側として考えれば「せっかく現代日本が舞台なんだから、小道具類はできるだけ実在の物を使ってちょっとでもリアリティを強くしたい」という意図が働いてもなんら不思議じゃない。しかもバンド経験のあるアニメスタッフは少ないだろうから、当然事前調査をしただろう。その中で新鮮な情報がわんさか入ってくるから、それを作中に行かしたいと思うのは当然だ*2。だから、「レフティベース」とか「全然安くないヘッドフォン」「昔のケータイ」等々がこんなに馬鹿売れするとは想像もしていなかったと思う。もし、これがあからさますぎる商品コラボレーションだったら、逆に引いていただろうなあ。
でシンプルな疑問だけど。劇中は間もなく三年目に突入するけど、主役4人が卒業したら軽音部どうなんの?あずにゃん一人で頑張る…ってそれじゃあクラブが消えるか。新入生3人は捕まえないといけないって、それだけでもハードル高いし、新人3人を先輩一人がコントロールってきつすぎ。しかも女子同士だから感情面での反発があればアウト。…きついだろ、これは。
そして最後に。さわちゃん先生の台詞で「でも、カスタネットは本当は難しい」と入れてくれありがとう!カスタネットもトライアングルもタンバリンも、しっかりやると難しいんだぞ!

*1:コアなファンが騒ぎすぎたおかげで、還って冷めてしまった面もあるかもしれない。

*2:実際にバンドをやっている人からすると、所持している機材やら、キャラの名前の元ネタやら、その他諸々で言いたいことは山ほどあるだろうけど、『付け焼き刃知識のニワカファン(ただし短期間で膨大な資料と情報をかき集めて分析している)』が、知った知識をみんなに話したくなる気分と同じ状態にスタッフがなっていると思っていただければ。