シャングリ・ラ

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今期終了第4弾。GONZOの色が変わったわけではなかったのか。
物語当初、環境問題ぽい空気を臭わせるヤケに現代寄りで頭でっかちな設定展開に、「青6」や「ラストエグザイル」よりも「考えさせる」方向になったのかなと思っていたんだけど、終わってみればその二作同様のエンターテイメントがメインの作品だった。冷静に考えてみれば、青6もラスエグも設定周りはいつもリアルに作り込んでいたものの、結局それらは様々なキャラ達を走らせるための小道具に過ぎなかった。そして本作もそこは同じだったことが最後まで見て良く分かった。
その舞台設定の上で、主人公もオカマもオタクもじいちゃんもばあちゃんも子供達もしかるべき場所で楽しく動いていたと思う。実際、中盤当たりからは俄然面白くなってきたし。…というか、オカマがここまでキーになったアニメって初めてじゃないか(苦笑)。
さて気になっていたと言えば「絵」の話。CGは要所で使用していたとは言え、コレまでの「GONZOと言えばCG」というような見せ方ではなくなっていて、むしろそれらがかなり抑えめだったのがちょっとした驚き。見てすぐにCGだと判るのはネットワーク世界とゼウスくらいだったし。あと過去の村田蓮爾GONZO作品には見られない「村田蓮爾キャラに無理に似せない」対応も珍しかった。特に主人公の國子の目が一番村田蓮爾っぽくなかったのが気になっていた*1。でもラスト数話で作画陣が一気に本気を出し始めたら、いきなりどのキャラも村田蓮爾キャラに戻っていたのは色々と笑えた。まあ、確かにあの品質で全話走りとおすのは無理だろうけど。
演出面で一番嬉しかったのは、最終回一番最後、國子の独白が終わった後の数秒間。こういうシーン、普通は一枚絵に近い描写を見せて終了ってのが良くあるパターンだけど、あえて台詞なしで表情・顔の動きで草薙国仁と会話を続けている空気を見せ続けたのは英断だと思う。まだまだこの世界は続いていくんだよ、という意思表示も見えたし。(続編があると言う意味ではなく、作品世界が未来に続いていくという暗示。)
最後はきっちり大団円にしめた本作。あんまり話題にはならなかったけど、純粋に楽しめる作品だったと思う。

*1:彼のキャラで極端な吊り目ってほとんどなかったような。