鳩山政権へのこれまでの感想

基本的に現政権は支持していないのだけど、これでも日本の与党なので冷静に見なくていけないわけで。
これまでの政策で「いいんじゃないか?」と思えたものはこんなところ。

  • 官僚組織への切り込み
  • 環境対策への"意志"

…このくらい?あとは正直思いつかない。確かに事実上初めての与党だし慣れていないことも多かろうが、仮にも一億三千万国民の頂点に位置する部門が「初めてだから"お試しモード"でよろしく〜」なんてことを言って通用するはずもない。だけど、なんかそれを隠れ蓑にしている気配があって嫌だ。それも含めて、今の鳩山政権の嫌い…というより非常に危ういと思うところ。

  • "分析"ではなく"感情・主張"が主な判断材料になっている
  • 内閣不一致にもほどがある
  • 困るとすぐに「自民党がやったこと」「国民の意思に従ってやっているだけ」と逃げる
  • "理想"と"現実"の切り分けが出来ていない議員が多すぎる
  • 多くの与党議員が、国内ではなく中韓の気分を損ねないように動いている
  • そのくせ、日本の国力増強・発展にはあまり関心がない(むしろ阻害している)
  • 小沢院政の影響が酷すぎる
  • 国庫がないのに勝手に予算を増やし、予算が多すぎたからと意にそぐわない/関心がない部分を考えなしに切り捨てる
  • 言い訳がいちいち子供じみている(特に、マニフェスト無視や自民党に投げかけていた議論がブーメランしてきた事例に対して)
  • マスコミが現政権に不利な報道をほとんど行わない(自民党がこれをやっていたら…と思うケースが多すぎる)

先日から実施されている「劇場型仕分け作業」についても、対官僚組織としては非常に面白い試みとは思うが、仕分け側の判断もあまりに乱暴すぎる。鳩山首相は「財源確保ありきでない」と言ってはいるが、そんなはずはなかろう。いくつかネットに転がっているのを見させてもらったが、「議員vs官僚」というよりも「プロ市民vs官僚」という構図としてみた方が正しいと感じた。
例えばスパコンについて「世界一でなくてはいけないのか?」という質問が議員からあったらしいが、これはYESなのだ*1。科学技術は、2番以降は無駄。一番になり、そこから生まれた様々な技術・考察・権利について主導権を確保し、それを世界に広げることで有形無形の価値を得なくてはいけない。でなければ、ブラックボックスが含まれる「使わされるだけの技術」を永遠に他国から「買い続けなくてはいけない」ことになるのだから。これを、戦後の技術者達全てが痛感していたからこそ今の「技術立国」としての日本の存在があるのだが…。
あとアメリカ一辺倒にはならない、という意思表示は良いんだけど、ならば「その代わりにこうする!」という声がまったくないのがまた恐い。「駐留米軍には順次撤退してもらうが、その代わり国防力を上昇させる施策をとる」というならまだ納得いったんだけど、「国防なんか不要」とばかりの方針と、気味が悪いまでの中韓スリ寄りを見ていると、単純に国土を切り売りしたいだけじゃないのかと*2
個人的には、鳩山政権の「友愛」という言葉が、詐欺・勧誘商法で使われている「一見甘く聞こえるキーワード」と同じくらい危険な物にしか見えていない現状がある。

*1:スパコン開発については、民間企業が不況を理由に撤退が相次いで事実上有名無実化しているので、大幅縮小という結果については納得はしているが。

*2:中国の空・海の軍拡、韓国・北朝鮮での物理的戦闘行為の発生など、どう考えても火薬臭い状況がどんどん出てきているというのに。