「緊急集会!どうなる都条例!?」に行ってみた・その2

じゃあどうすればいいのか、と言う話だけど。

実質的には今週末までがタイムリミットと言うことのようだ。それまでに、どれくらいの勢力を反対派に考え方を変えて貰えるかが勝負。民主党総務部会で明確に「反対」の意向が出せなかったら、極めて情勢がマズイと言うことになる。

  • 民主党総務部会…未定(来週半ばまでにはやるらしい3/15(月)になったようだ)。ここで民主党の方針が決まる。
  • 都議会総務委員会…3/18。ここで総務委員会の担当者で会合をする。
  • 都議会予算特別委員…3/25頃。ここでもテーマになる可能性アリ。
  • 本会議採決…3/30。
  • 意見/陳情の出し方

ガンダムWの人ではないけど、とにかく『陳情はエレガントに』とのこと。冷静に、相手を立てて*1、簡潔に。大人の態度、ってことで。

  • FAXについて。送るにしてもせいぜいA4で5枚程度。できればA4一枚がベスト。逆に一人で40〜50枚送ったり、コピぺ文面で大量一斉送信は「ああ、こういう人たちか」と流されて反感を買ってしまうらしい。(追記:現在、FAX、メール共にパンク状態のようなので、手紙・封書が最適の状況)
  • 地元の議員への陳情は効果絶大。直接事務所に生でやりとりできればさらに良し。やはり「票につながるか否か」は非常に大きいとのこと。
  • 本来専門外の人も多いため、できるだけ分かりやすく簡潔にがモットー。押しつけ・脅し調が最悪。*2反対派議員に「委員会や議場で闘う武器=情報を渡してあげる」という考え方で。
  • テーマにできること

ネタに出来そうなことを、会場で出た発言とあわせてつらつら考えてみた。

  • 性犯罪は現行法でも十分に厳しい処罰が可能。それでも「蔓延」という状況が事実であれば、それは法を確実に執行できない警察の問題では。なのに、さらなる武器を渡すのはどうかと。
  • 確かに「存在」はしているが、「蔓延」というほどの状態なのか。そんなに簡単に手に入るものなのか。
  • 都民の思想/思考から「不健全なものを一掃する」というのは極めて危険。思想統制までしようというのか。
  • 海外から言われたからという理由は正しいか。各国の犯罪状況によって法の指向は当然変わる。単純所持がないというロシアと日本の性犯罪発生率はG8で下から1/2番。上位の西欧諸国は、その数百倍の発生率である。また日本では考えられない凶悪犯罪が多発している国で立案された法案を、同じ理屈/海外の尺度で日本に適応するのはおかしい。
  • 海外からの要望は「義務」ではない。
  • 海外での「児童ポルノ」とは、「人身売買」「殺人」等を一般的に指すらしい。日本のそれとは大きくイメージが違っている。
  • 同人業界でも、即売会でも年齢確認やゾーニングを自主的に実施している所も多い。またサークル自身も本に18禁マークをつけ、未成年者への売買閲覧が禁止と言うことも十分意識しているという事実がある。
  • 児童保護、青少年健全育成について、「原理原則」に立ち返らずに、ただ目の前の現象にのみ対応していることは、法の普遍性から言っても問題。
  • 青少年への教育も責務。一律に性教育はアウトではなく、現実を見据えた上で「小学生」「中学生」「高校生」というレベルでわけて、きっちり教えるべきなのに、そのような答申がほとんど無いのはどういうことか。周囲の規制以前に家庭や教育で道徳倫理のレベルを上げることが大事では。分別が付けば、本当の意味での「児童ポルノ」には手を出さないだろうし(そもそも入手自体がとても難しいが)、架空と現実の区別も付くはず。
  • その他

ざっくり色々。

  • 「蔓延」「犯罪率」等の実数的数値は、規制派からほとんど出ていない。ただ、おそらくそれは武器にならない。武器にしたところで、それらを議論する前に本会議で可決されてしまう。また、俗に言うヒヤリハットの法則にもあるように、「1つの事故>十倍の未遂事故>その十倍の気づき」であるため、単純に「日本ではX件、Xパーセントしか」という論調では駄目らしい。
  • パブコメで「1600通中、反対が8〜9割」という情報があるが、総務部では「そんなことない」という見解らしい*3
  • この法案は前議会の残り物…つまり自公最大勢力の時に出てきた法案の残滓。今国会は民主党政権になったので論調がトーンダウンしているため、規制派は残るこちらのルートで突破しようとしている(前述のように、ここを突破したら実質的に規制派の勝利)。

青少年健全育成条例」が、児ポ法思想統制・単純所持規制等の多くの問題を孕んでいる以上、もはやこれは「青少年健全育成」なんて枠では収まらないと思う。むしろ、中国のように「青少年のため」という名目でなんでも国家規制ができるおそれが強いとしか思えない。

*1:おだて、おべっかと言っても良い。

*2:そういえば岡田斗司夫NHKからオタ系番組を一掃することを伝えた映像ブログの中で、「意見をするなら文句ではなく、「面白かった、ぜひ続きをやってほしい」という論調が必須と言ってたなあ。

*3:事実かどうかは不明。