大阪府にてBL本を有害図書指定

橋本府知事が表現規制の検討を公然と発表してから、それに向けての動きが活発化してきたけど、この速度でここまで動くとは。やはり、知事のバックに以前から動いていた規制派がいるんだろうなあ。
で、今回は従来からある条例に沿った指定の発動なので、いわゆる都条例的な意味での問題はない。ただ、規制反対派として見るべきポイントがある。

法律的な観点

  • 「成人指定」と「有害図書(不健全図書)指定」の違いの再認識。前者は業界の自主規制(成人向け指定など)。後者は行政による指導で、条例にもよるが複数回の指定で発禁扱いになるのが一般的。
  • 行政側が「女性向け創作物」の規制に踏み切ったこと。いわゆる“前例”の成立でもあり、他府県展開の先駆けになる。

業界の反応的な観点

  • かつてあった有害図書事件の再来。当時は男性向けへのものだったが今度は同じことが女性向けに。
  • 大抵の書店・流通は細かく選別せず、「同類&わずかでも“それらしく”見える本」は十把一絡げに撤収する過剰反応。
  • 出版側は、そのような描写がある内容は絶対に避ける。または単行本にしない&修正削除して出版。

指定された本は、男性向け成人図書と同じ対応を求められる(成人表記/ゾーニング等)ので、流通&販路&部数の問題から出版側も決断を求められる。「今の男性向けの勢いなら…」と思われるかもしれないが、有害図書事件から回復するのにどれくらい時間がかかったか、女性向け“成人図書”というジャンルが商売になるかは一切不明なので楽観視できない。
都条例との関わりで考えれば「従来の手法ですら、ここまで流通側の過剰反応ぶりが拝めた」わけで、改正都条例が施行されたら比較にならないくらいの反応になることが容易に想像できる。
そして規制側はしれっと言うのだ。

自主規制なので、行政は関係ありません。

と。