尖閣諸島沖侵犯事件の映像流出

まあ流出とは言え、事実上現政権の様々な方針に我慢がならなかった中の人の誰かが、義憤に駆られてアップしたという感じではある。政府は流出元の捜索に躍起になるんだろうけど、マスコミ側が「流出元」の話と「映像の内容」の話のどちらを報道していくかに非常に興味がある。
今回の件で注目しているのは以下の通り。

  1. 現政権の情報管理能力や防諜能力がほとんど機能していない
  2. 現場レベルで、現政権に対する外交や防衛面での不満が非常に高かったことが判明
  3. ネットの情報展開性の早さ

民主党は以前から防諜や防衛に関わる情報セキュリティに関しては非常に関心度が低かった。同時に、色々な実務的外交問題に対して「友愛」「土下座外交」という極めて理解を得られにくい手法と取ってきた。まあ、これは自民党与党時代も似た感じではあるけど、その時はここまで致命的な失態はそうそうなかった。普通の国民ですら「ちょっと変じゃない?」と思うくらいだから、外務省実務担当や海上保安庁自衛隊といった現場に直面する立場にいる人たちの苛つきは極めて大きかったと思う。そういう反動が今回の結果を生んだのだと思う。
ビデオ映像の公開に関しては「外交上の問題」「切り札」等の言い訳が今後出てくるのかもしれないけど、海上保安庁から提出されたビデオが仙石官房長官預かりになった瞬間に「ああ、これで民主党政権が続く限りは公開がないな」と思った人は本当に多いし、「切り札だからしょうがない」と思った人は極めて少なかったように思う。
そしてネットへの流出と展開。実際、自分はニュースを聞くまでは気がつかなかったけど、すぐさま主要な動画サイトを見て回ればいくらでも見ることが出来る状態だった。政治的テロリズムという言葉を使っているようだけど、今回は不満が爆発したという見方の方が正しい。
そして今後心配する事態。

  1. 防諜・防衛体制の再構築が正しい方向に行けばいいが、一部の思惑に沿った形で進められる危険性
  2. ネット危険論を政府とマスコミが合同で進める可能性*1

*1:小沢さんへのインタビューがニコ動生放送に取られて、既存マスメディアは時短惰踏んだだろうし。