漫画・アニメ・CG等のサイトが児ポ対象として(一時的に)ブロッキング対象に

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過剰ブロッキング/「ふたばちゃんねる」が児童ポルノサイト認定されブロックキング - カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記
先行実験として「児童ポルノサイトへのブロッキング」が現在実施されていることは周知の通り。その中で、「ぷらら」という大手プロバイダにて児童ポルノと関係がないアニメや漫画系サイトに対して、大規模なブロッキングが実施されたというお話。詳細は、上記リンク先を(とくにカマヤン氏のは必読)。なお、先に結論を言うと「事故扱い」として現在は普通に閲覧できるらしい。
でまあ、ぷららは「機器の障害だから気にしないで」で片付けたいらしいのだが、カマヤン氏のエントリ中にもあるように「こんな選別的で綺麗な機器障害はない」に決まっている。障害があったとしても、通常は「全部まとめてGOかNO GO」だったり「接続状態が不安定」だったりというパターンになるはずだ。つまり、今回の障害で一つだけはっきりしたことは、

すでに、「一般社団法人インターネットコンテンツセーフティ協会」(ブロッキングサイトをとりまとめる協会)ないしは「ぷらら内部」では、児童ポルノとは関係がないアニメ・漫画・CG関連のサイトについても、すでにそのブロッキングのためにリストが作成されている。

という事実である。明らかに限定的である以上は、「オーバーブロッキング」という「不可抗力で意図せぬブロックを生じてしまったケース」でもなく、リストという存在がある以上「ブロックしたくてブロックした」という行為がいつでも容易に実施できる準備が完遂されていることが表沙汰になったわけである。
なお、「アニメや漫画、エロなんか興味ないよ」という方にとってもこれは無関係じゃない。なにせ、「行政やNPOが不快に思うリストを作っている」以上、前述の2次元表現以外でも「様々な若者文化を極めて苦々しく、かつ敵対的に感じている老人や道徳団体」の存在がそういうものを作ってない保証すらなくなったわけだから。念のため言っておくと、「普通の政治的なサイト(議員のHPとか)」も「青少年へのフィルタリング/ブロッキング対象」にすでになっており、政府官公庁のみ閲覧可能=大本営情報だけで比較対照できない事態になっている。
ちなみに、2010/7/4のエントリに、児童ポルノの定義を載せた。ひとまず転載する。

  • 児童ポルノとは
    • 実在の子供に対して性行為を強要しているような写真やビデオ。ただ、海外では「人身売買」「殺人」の意味合いが非常に強い言葉であるため、日本とは意味合いも罰則も大きく異なる。また、あくまで「実在の子供」が対象であるため、「二次元児童ポルノ」「マンガ児童ポルノ」「まんがやアニメの児童ポルノ」という言葉は存在しない。

もちろん、これは「現在の児童ポルノの定義」であることも注意。今後児ポに関わる法律が改定され「架空創造物でも18歳未満に見えてちょっとでもエロく感じる要素があれば児ポ」となれば、この内容も変わってしまうのだ。意外と、各地の条例案はこの「法案名は同じだけど内容は変わる」ことで、実質的に罰則や逮捕網の大きさを広げることを念頭に置いているパターンも多い。ゆえに条例案等の解読は大変かつ狡猾なのだ。