涼宮ハルヒの驚愕

発売当時は「ラノベ初の初版513000部出荷!」と煽ったものの、その過剰出荷のせいか、いつまで経っても本屋の本棚から消失しないというまさに本屋泣かせの展開だった本作。しかも通常版まであるわけだし。本屋さんの悲劇はいかばかりか。
ともあれ、完全に前作の内容を忘れていたので(しかも思い出すにしても前巻をどこにしまったかすら分からない)、前巻三分の一を通過するまでまったく展開について行けず。その後はようやく記憶の奥底から幾ばくかの情報をサルベージ出来たので多少はマシになったけど。話のトリックとしては最初からパラレル物というのは想定できたし、過去にも時間軸を遊びに使ったネタもさんざんあったので、後の楽しみは個々のキャラの動向にかかってくる。そう言う意味では新キャラを出したのは正解だったけど、個人的には佐々木さん以外はまるでヒットしなかった。というより、残り三人は話を成立させるためだけに出てきた雑魚みたいな印象。まあ佐々木さんの個性はかなり気に入ったのでその点だけは良かったけど。物語としては…どうかなあ。正直言うとハルヒキョンの仲が進展した以上のインパクトはなかったかなあ。現在と未来から見た「この作品世界」についての情報が少し転げ出たくらいだったし。刊行が極端に遅れた点について作者はひたすら謝るだけだったけど、なんかこう、単純にアイデアというかキャラが動かなかっただけじゃないのかなあと思わないでもない。
まあ、佐々木さんが再度出てくるんであれば、今後も続けても良いかなと思う。