幻影博覧会(4)

幻影博覧会 4 (バーズコミックス)

幻影博覧会 4 (バーズコミックス)

あーもー、相変わらず後味悪い作品書かせたらたまらんな、冬目景は(笑)。珍しくSF臭漂う作品を描いてきたかと当初は思っていたけど、そういう部分は結局強く出さずに終わってしまった…まあ、冬目景なら普通にありうる話でもあったけど。作品としてもあくまで松之宮氏の視点を中心に描かれているから、真夜の過去未来の話は全く出ず、それを臭わすこともなく終わってしまった点は、ある意味大正期の「竹取物語」的な物だったのかもしれない。というか、冬目先生がガチSF物を描けるとは到底思わないし、仮に描けたとしてもSFっぽくないんだろうなあとは思う。
大団円にはほど遠い終わり方だったけど、この作家の色々な作品を読んでいるせいか納得のいくラストではあった。