ミクの日大感謝祭

今年は現地で見たいなあ…とか思っていたこともあったけど仕事がそれを許してくれなかった。おのれXXXX。特にSEGA側は「最後」とか不吉な単語が付いているし…。勿論劇場ライブ配信とかも見れる筈もなく。ということで、ニコ動でネットチケットを買って一気に二日分をタイムシフト視聴。

こちらは5pbが主催のもの。昨年東京でやって散々叩かれた結果、札幌公演ではかなり反省して評価をいただいたチームでもある。
コメントを見る限り、セットリストや展開は札幌の焼き直しらしい(色々品質や演出はさらに改善しているようだが新鮮味はないみたいだ)。札幌公演そのものは見ていないのでそこはコメントできないが、ディラッドボードをしっかり使用して二階建て構造でSEGAと差別化を図り、映像のクオリティもアップさせて兄さんも出してきていた。少なくともその展開や演出は十分な内容だったと思う。ただ…これは配信の問題なのかもしれないが、早々から演奏とミク達のモーションが半テンポずれたままだったのが非常に気になった。生演奏しているから人間側で調整してくれるのかと思ったら結局最後までそのまんま…ということはあれは正しかったのだろうか。いや、明らかにずれていたからそれを修正する術を持たなかった/持てなかったんだろうか。結局それが最後まで胸の中の違和感となって終わってしまった。それさえなければ、十分及第点と思う、いや思っていた。同時に「これをもう一回見るのはちょっとなあ…前回SEGAの感謝祭をネットで見たときの興奮って、やっぱ初物だったからなんだろうな。」とも思っていた。
…続けて「感謝祭」のタイムシフトを見るまでは。

こちらはSEGA主催組。LAのNOKIAシアターでTHE39'sが演奏したのもこちらのチーム。セットリストはLA公演がベースっぽかった。
が、しょっぱなからヤラレタ。まさかChrome&GoogleCMの「Tell Your World」を持ってくるとは。正直この時点で「企業規模の差か…」と思っていたんだけど、もうその後の展開がね。申し訳ないが、ミクパ2012が勝った要素は「兄さんが出た」くらいになってしまった(まあ感謝祭は姉さんしかでなかったけど)。THE 39'sの実力は(当たり前だが)やはり本物。ストリングスやブラスを持ってきたけど、ボカロ達の声とのバランスもしっかり取れていて「バックが五月蠅すぎて聞き取れない」という事態はなかったし、「むしろここはバックが来い!」というところはしっかり出てきていた。そしてキャラモーションと演奏のタイミングは恐ろしいほどぴったりなのに、THE 39'sもミク達も荒ぶる荒ぶる(笑)。SEGAの技術力とミクゲーで積み重ねてきた技術力、あるいはいくつものミクコンサートで培ってきた数多の現場経験の集大成が見事に再現されていた。
ミク達の演出技術力の向上は当たり前だが、生演奏の強みが存分に発揮されているのも素晴らしかった。とにかく音が分厚い。アレンジも凄い。まさに「生演奏だからこそやれること」を十二分に発揮されていた。「ああ、俺はコレに前回も感動してたのか」と改めて感じてしまった。つまり、あれは初物だからでもなんでもなく、純粋に心が震えてしまったわけだ。自分が軽いSEGA党であることを考慮しても、こっちは何度も見たいと思うわけだよ。
「最後の」と付いた真意は未だはっきりはしていない。ただ感謝祭はアイドルコンサート活動…ではなく「SEGAのゲーム宣伝広告費」の一環で作られている。あくまでゲームを売るための宣伝なのだ。極端なことを言えば「コンサート(あるいはその収録メディア)で収益が上がってもゲームが売れなければ無意味」なのだ。そう考えると「最後の」と付いた理由もいくつか想像は出来る。ただ、SEGAのミクゲーはよく売れているという。少なくとも経営陣が考えていたよりは遙かに売れているらしい。それはSEGAスタッフがミクコミュニティーの性格を初期から理解して作成しているせいもある。ただそれ故に突飛なことも出来ない…それはゲーム制作メーカーとして、無意味に技術力があるSEGAの方向性とは必ずしも一致しない。また、繰り返しになるがゲーム屋はゲームで収益を上げないと意味がない。そしておそらく「感謝祭」は普通のコンサートよりもはるかに経費がかかっているのは間違いない…人間なら勝手に動いてくれるものを、一挙手一投足を設定しなくてはいけないのだし、会場設営もかなり特殊だ。チケットが完売しても、そこからの収益はそうたいした物ではないことは容易に想像が付く。大きな箱でやればもっとチケットは売れるだろうが、設備の限界で楽しめない人も増えてくる。損益分岐点は思いの外高い場所にあってそれを調整するためにはさらなる予算が必要となる…それは、経営状態が良好とは言い難いSEGAとしては厳しいのだろう。
ここまでグダグダ書いた理由はただ一つ。…やっぱ、これ最後ってのはナシだよ!ってことなんだけどね。こっちのBDは確実に買うし、SEGAという企業は昔から好きだから余程地雷臭がしない限りはミクゲーは買うし。