戦姫絶唱シンフォギア

戦姫絶唱シンフォギア 公式サイト
今期終了第3弾。スタッフ全員が本気で楽しんでいる作品は楽しい。
前半の賛否両論の嵐が後半の激熱展開で「細かいこたぁ気にすんな!」となり、ついには「熱血王道復古」とまで言わしめてしまった本作(苦笑)。第一話から応援していた身としてはうれしいやらくすぐったいやら居心地悪いやら…まあ、悪い気はしてないけど。
第12話の展開がものすごかったのでラストをどう収めるのか、問題はその一転に集約されていた。が、それも十分に安心できる王道路線だった。もちろん「えええ」と言わしめるものすごい絵面の連発であったことも事実だけど、もはやそれすら心地よい。特にフィーネさんの『一本背負い』はある面において無限拳を超えていると思う。うん。
総じて本作は植松&金子が、実行できる枠の中で思い切り自分達のやりたいことをやった作品といえる。それゆえに、物語前半は所謂”適合者*1ではないと見続けられない”とまで言わしめていた。しかし超展開とまで言われていた話も、実は第一話から細かくヒントやフックはあちこちに仕掛けられており見た目と違って結構堅実な話を作っていたし*2、話の筋もそんなとっぴなものではない。言い方は悪いけど、一種の回顧脚本でしかない…それこそ流行のアニメ脚本家だと「恥ずかしくて」書けないような脚本だ。だけど、それを純粋に恥ずかしげもなく今のレベルでまっすぐ作った結果、制作者すら想定しなかった最後の盛り上がりとなった。これはいろんな機知を含んだ結果だと思う。イベント開催が10月というずいぶん後になったのも、想定外の人気が出たのであわててセッティングした感があってなかなかにほほえましい。
さて、物語としては「2」とか「劇場版」とかを作れるような形でひとまず幕を下ろしたけど、さてこれからどうなるか。このまま幕を下ろしても本作なら許せるけど。さて、楽しみだ。

*1:従来のアニメにはない「劇中歌の使い方」や『金子節』と呼ばれる舞台や文芸で見られる台詞回しを問題なく受け入れられること。

*2:それでも到底説明しきれないので、結局HPに用語集を出していたけど。