ストライクウィッチーズ劇場版 還りたい空

ストライクウィッチーズ　劇場版 還りたい空 (角川スニーカー文庫)

アニメや劇場版のノベライズの楽しみは、劇中では描かれなかったエピソードを追加したりさらっと流した物語をさらに深く描くことこそに意味があると思っている。そう言う観点で言うと、正直非常に物足りない内容だった。ラノベとしての及第点は取れているし、確かに追加されている内容にもなっている。が、どれも薄い。基本的には劇場版をひたすらなぞっているだけだ。まあ、かつて本当に本編をなぞっただけの小説もよく出ていたからそれに比べればマシだけど、とはいえわざわざこの厚さでリリースしたにしては追加分が非常に薄かった。
ただ、これは小説家自身の問題ではなさそうだ。あちこち情報を仕入れてみる限り、どうもこれは「劇場版の脚本稿」の一案がベースになっている可能性が高い。なのでここに描かれている「劇場で描かれていないシーン」は「追加」ではなく「削除されたシーン」でしかないようだ。そう考えると…やっぱ寂しいなあ。なんかこー、もっと萌えだけでなくミリ側にも造詣の深い方に好きに書いて貰えないかなあ。