戦闘破壊学園ダンゲロス

戦闘破壊学園ダンゲロス (講談社BOX)

戦闘破壊学園ダンゲロス (講談社BOX)

当時やけに話題だったので買ってみた・・・きり積みっぱなし。たまたま本屋で漫画版を見つけたのでまとめて全部読んでみた。
刊行当時の話題性と言えば、とにかく評価がまっぷたつだったことは覚えている。そして読んでその理由はよく分る。これはもう、作者自身の厨二な情熱をただ熱量の限り叩き付けている「だけ」の作品だ。TRPGとリプレイノベルを元としたメタな視点構造を形成しているとは言え、本作では刺身のつまにもなっていない。小説としての体裁も正直ギリギリ保っているレベルと思う。そして本作は本当にそれだけだから、評価が割れるのも当たり前だ(苦笑)。私にとっては…所謂小説としては読めない。アダルト系TRPGのリプレイを元に、思い切りはじけて書いた二次創作としてなら読める…かな。
漫画はヤンマガ掲載とのことだけど、これなら秋田のREDに持って行った方がより本来の魅力(?)に合わせて描くことが出来たんじゃないのかなあ。どうせならキルタイムだって構わない。いや、元の小説が講談社新人賞だからそれは無駄な願いというのは分かり切っているけど。確かに絵はうまいし演出もそれなりに行ける。ただ本作の持つ「血と暴力と体液の臭い」が七割はなくなってしまっている。それが残念かな。