魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's

魔法少女リリカルなのはシリーズ 公式サイト
劇場版、というよりも「すげー豪華なファンディスクムービー」と言った方が正しいと思った。*1
なのはを知ったのはA'sの地上放映が終わった頃。ミリタリーの空気があるアニメ知らん?とネットで聞いて勧められた。勿論、原作がエロゲとかロリ百合とか知るよしもなく(苦笑)*2。友人から無印&A'sをダビングしてもらったが色々忙しくてほとんど見ることが出来ないままStSを見て、ネットで過去の話を何となく理解して今に至る。勿論、今は人気作であることも同人系のネタでも多いことは十分理解している(昨今の漫画等の展開はまったく追いかけていないけど)。その上で。
戦闘シーンはおおむね申し分ない。迫力は十分。贅沢を言わせて貰えれば、各キャラクターの「見得を切る」シーンをもっとばーんと出してくれてもよかったかな。まあ「劇場版なのに多少中割動画のコマ数が少ないんじゃないかなあ」とか、「画面効果を重視するあまりキャラの動作と実際の移動距離に齟齬が発生し、速度感が一瞬ぶった切れてる所があった」とか目に付いたのだが、そこが「テレビシリーズからのコピー」の箇所なのかは前述の理由で分らないので、なんとも言えない。
もちろん、テレビシリーズを圧縮した事による(であろう)変なところも目に付いた。はやての女医さんがなんの疑問もなく突然現れた付き人に接している事実とか、「出演事実を作るためだけに、一瞬画面に出てくるキャラ達」であろう箇所とか。上映終了後にファンが「やっぱあの長さを150分は無茶だったよなー」と話していたのが印象に残ってる。でもまあさあ、それまで恐ろしくスピーティーな展開だったのに、変身シーンだけフルシークエンスをじっくりなめ回すように見せてるんだから、実際時間が足りない、なんて意識があったかどうかは怪しいところ(苦笑)。
さて、劇中見ていて強烈な違和感がつきまとっていた。これは前作の映画の時にはまったく感じなかったこと。

おっさんやアニキどころか家族もいねえ!

いやまあギャルゲで百合百合な原作にそういう要素は不要と判断されているのは物凄い理解している。しかし、「家族描写は一切なし*3or他界確定」「男性キャラは子供か故人かモブで、青年枠は動物化」がここまであからさまに出てしまうと「え…これってどうなのよ」と感じてしまった。前作は家族と友人が普通に画面にいたから感じなかったし。そんな状況なのに、はやての「疑似家族」や「なのは達の密接すぎる友情集団」はえげつないくらい前に押し出しているから、「なんでわざわざ擬似集団に変換する必要が?」と違和感さらにブースト…いや、まあ分ってるのよ。これでもオタク歴はずいぶんになるから、こういうものにツッコミ入れても仕方ないことは。ただ、こういうのが目についてしまった段階で、俺も年を取ったのかなーと。

  • 金子となのはとシンフォギア

でふと気がついた。ワイルドアームズシリーズやシンフォギアの脚本を担当した金子氏もなのはの大ファンだったことを。そしてその方向性も手がけてきた作品の方向性もよく似ている。ただ大きな違いとして、金子は必ず「できる大人」を出してくる。それは子供の視点ではなく、人生の辛酸を舐めて生きている大人の視点として子供達に語ることができるキャラクターだ。それこそ主役を食うレベルで。だが、それがいい。そして、この映画を見ていて「自分がシンフォギアの展開に燃えて、こちらで燃え切らない何か」の理由がそれということに気がついた。悪い言い方だと「うすっぺらく」見えてしまったのだろうと思う。
さて、テレビシリーズでは残りStS。これまでのファンの間ではかなり不評と聞いているけど、実際映画化はするのだろうか。個人的には、戦術だけじゃなく政治戦や戦略・軍政が見えたりしたこっちの方が話としては気に入っているし、何よりなのはとフェイトについては幼女体型より十分女性らしく育ったこっちのシリーズの方が好きなんだけどな。

*1:いやまあ、テレビアニメの劇城版なんて得てしてそういうものだけども。

*2:ただし、原作のエロゲ「とらいあんぐるハート3」自体は知っていた。プレイしてないけど。

*3:厳密に言えば司令とクロノがいるけど。