パシフィックリム

12.11 ブルーレイ&DVDリリース レンタル/VOD 同時開始 11.27 ダウンロード先行発売|映画『パシフィック・リム』公式サイト
過去の海外作品で「日本のXXをリスペクト」なんて文句で上陸して、実際見たら「どこが?」「分からなくはないけど結局ハリウッドじゃん」なんてのがしょっちゅうあった。実際に見るまでは、本作もそういうもののひとつなんだろうなと勝手に想像していたら、マジで日本のアニメと特撮をリスペクトしていてびっくり。正直ニヤニヤがとまらなかった(苦笑)。映画の最初から最後まで、気がつくと手を握って画面を見つめていた。
日本のアニメ・特撮のリスペクトについて言えば、絵にしたときの目に映るものだけでなく、いわゆる「特撮お約束の脚本のみならず、それをかもし出す雰囲気」まで丸ごと叩き込まれていた。形はまねたけど魂まではだめでした、というのが良くあるものだけど、これはむしろ魂のコピーからはじめた、そんな感じ。さらにそこにハリウッド特有のお約束とそれを逆手に取った脚本まで組み合わさり、非常に面白かった。あえて言えば、「ラブシーンがなかった」のも「日本のアニメ・特撮を踏襲したけど、ハリウッドでは定番のそのシーンは省いた」とも言えなくもない。どう考えても、ヒロインと主人公のラブシーン(またはベッドシーン)があると思ってたのに、キスもないんだぜ!?別の意味でこれは衝撃だった。
しかしまあ…映画を見るまでは「なんという野暮ったいデザインのロボだよ」とか思っていたのに、実際に映像で動いているのを見ると、その重量感と動きにしびれっぱなし。しかも「ロボvsKAIJU戦は別腹」とばかりにこれでもかといわんばかりの巨大戦闘シーンのオンパレード。「え、まだやるの!?まだあるの!?ヒャッハー」とばかりの展開にメカ好き万歳状態。各種行動シークエンスをゴリゴリ放り込み、細かいギミックを惜しげもなく見せてくれるところなんて「おお、わかってんじゃん!」とひざをたたく状態。日本でアニメや漫画の実写をつくった場合のガッカリ感て、結局「漫画アニメはたたき台。実写にしただけありがたく思え。あとは好きに俺たちが作る」というリスペクトを微塵も感じられないものだからこそなんだけど、そういう部分も含めてハリウッドがしっかりやってしまったことに喜んでみたり絶望してみたり。
ともあれ、「巨大ロボが怪獣と正面から戦うぜ!」というシチュエーションが好きならば、必ず一回は見に行くべき。