輪廻のラグランジェ season2

輪廻のラグランジェ|公式サイト
過去作消化。作品としてみれば「悪い」わけではないのだが…。
話題性が先行しすぎてそれに内容が追いついてこなかったこと、作品を作るよりタイアップ(鴨川)を気にしすぎたこと、結果素材を組み合わせるのではなく個別に料理してしまったこと。まあ、うまく行かなかった理由は少し考えてもそれくらい出てくる。それらをまとめて一言で言えば「冒険が一切できなかった」ということと思う。
昨今の日本のアニメ・ラノベ作品はいくつかのテンプレートをベースにした一種の二次創作ばかりになっている。そこに女の子とエロスと何か一つを入れればアニメ化の準備が終わる。だからオリジナル作品で同じことをしても仕方がなく、それゆえに地域振興や自動車会社との企画タッグは悪くないアプローチだった。だけど、タッグを重要視しすぎた結果あまりに安全に走りすぎ、しかも素材が空中分解してしまった。ロボなのか、戦争なのか、学園なのか、女の子同士のキャッキャウフフなのか…それらの統一解を追求しないままバラバラに進め、しかも「町おこし」を強く意識してしまった結果、山谷が少ない危機感のかけらもないヌルい作品でしかなくなってしまった。ぼーっと見る作品としてみればまあ良いのかもしれないが、制作側や鴨川の当初の意気込みを見ればそんなところを狙っていたわけではないことは見て取れる。
だが、結果として「特に印象にも残らないヌルい美少女アニメ」になった。鴨川側の「アニメで町おこし」を意識しすぎた影響も否定出来ないだろう。ガルパンも素材としては似たようなものだったが、こちらは「作品としての面白さを第一にした」「地元はあくまで一ファンでしかなく、町おこしも金儲けも一切考えなかった」結果、当初誰も予想しなかった空前のヒットになった。まさに皮肉としか言いようが無い。