絶園のテンペスト

過去作消化(2012年)。通しで見るとバランス感がなかなか良かった。
1クール目後半が録画ミスで吹っ飛んでいたためニコ動で有料アーカイブを確認しながら視聴。正直、愛花の自殺の可能性は想定していたが、絶園の魔法使いであそこまで吹っ切れて事に及ぶことまではまるで想像していなかった。シェイクスピア2作品をやたら引用していた理由も最終話でキャラが語ってくれて解釈の補完にもなった。前半は復讐劇、後半はラブコメ混じりの真実編と個別のバランスは少し疑問ではあったけど、いざ最終回まで見てみるとそれだからこそここまで落ち着いて見続けられたのだと感じる。また、「死して登場人物を翻弄し続けた」愛花というキャラ設定がなかなかに素晴らしいかった。彼女は舞台俳優でありつつも自身の脚本家でもあった訳だ。「死んだ孔明〜」てほどではないにせよ。
極端な賞賛はしないけど、十分良い作品だ。普通の役に立たない器量無しの娘になってしまった葉風と吉野の関係や、世界を動かすと決めた真広の今後も知りたいところだけど、一幕はここで閉じるのが正しいのだろうな。