アニメ 艦隊これくしょんー艦これー 第4話

ひとまずコメントは三話で終わりにしようと思ってたのに、我慢できずに書いてしまった。たとえネガティブ方向でもそんな気にさせるだけの魅力は残っている、と思っていたいのだが。
とりあえず見て思ったのが各国の兵器コピペのイギリス編「何がしたかったのかはわかるが、どうしてこうなったのかはわからない」だったりする。如月轟沈を軸にして、そこに吹雪を絡ませ、さらにそれを支える周囲の仲間も加え、吹雪自身に擬似轟沈を追体験させることで睦月の心情に寄り添うことができ、最後に睦月と気持ちを一つにすることで辛さを乗り越える…うんわかる、わかるんだけど…それを実現する方法がああいう筋書きに演出で正しかったのだろうか。
なんというか、ぶつ切りの各シーンを無理やりパッケージした風が強すぎてかなりひどい。金剛型四姉妹もただのアホ姉妹になってるし、金剛自身の砲弾叩き落としは、キャラ的にも性能的にも「いや、それ別のキャラの仕事やろ」と言わざるを得ない。それこそ、高速戦艦の身の上を利用して代わりに砲弾を受けて中破でいいじゃないかと。そしてその被害にも心を殺して戦に対峙する四姉妹の姿勢を見せることができれば「ああ、アホと思ってたけどちゃんと死を覚悟して真正面から戦っているんだ」という演出に持っていくこともできたのに。
また本来なら睦月の気持ちを丁寧に描くことで演出面で展開を見せるべきなのに、その睦月は頭とお尻だけで、当事者ではない吹雪にその役目を押し付けるというよくわからない展開。その展開もバカなお祭り騒ぎばかり。いや、バカなお祭り騒ぎ自体はいいんだ。でも、例えば「鎮守府では激戦続きで艦娘の轟沈は案外よくあること。そして良くも悪くも皆それに慣れており、そんな心への対処方法もお祭り騒ぎであえて吹き飛ばす、という方法を選んでいる」というようなことがわかるシーンなり雰囲気を出せればよかったと思うんだが、そういうのも微塵も無し。うーん。
まあメタ的に考えると、製作スタッフはかなりの激戦を強いられている気はしている。原作が漫画や小説であればとにかくそれを読み込めば、自分なりの世界観を築くことができる。しかし艦これはゲームであり、しかも簡単に触っただけでは物語も何もないブラウザゲーであって何をとっかかりにすればいいのか見当もつかない。それを把握するには、おそらく1ヶ月以上のプレイと小規模程度でもいいから1回以上のイベント体験、そしてそれに絡んだコミュニティ内での話が必要だ。物語がないから自分で作るしかない、しかし元ネタは帝国海軍だから荒唐無稽なものを作ってもNGがでる。だから、おそらく最初は田中Pにあっていろいろ話を聞いたはずだ。しかし、そこで物語は語られず(語りようがないのだけど)田中P自身の艦これにかける熱い想いをずっと聞いていたに違いない。そして、艦これファンコミュニティをあちこち見て回って二次設定で主流のネタをかき集める。そしてある意味艦これ名物でもある「轟沈」システムをどう扱うのか(ないしは扱わないのか)を検討した。しかし時間がなくそれらを綺麗に収斂するまでには至らないままアニメになってしまった。それがこれ。
おそらくだが、こういう事態になるくらいならば「学園艦これ」か、艦娘または艦種ごとにテーマを絞った「オムニバス形式」の方が無難だったのかもしれない。