大日本サムライガール 8/9

大日本サムライガール 8 (星海社FICTIONS)

大日本サムライガール 8 (星海社FICTIONS)

大日本サムライガール 9 (星海社FICTIONS)

大日本サムライガール 9 (星海社FICTIONS)

この本を読み始めた頃は「ようやく日本にもこういう物語が書店に並ぶことを認められるようになったんだなあ」と思った。中盤のころは少しダレ気味のところもあったけど、でもまあそれなりに面白く読んでいた。その頃に想定していたラストは2種類想定していた。一つは「最後の最後でどんでん返しが起きて凋落し、また街角でメガホンを片手に叫ぶひまりんから再スタートとなる」のシーン。あるいは「真のフィクサーである颯斗がなんらかの理由でリタイア(死亡含む)し、ひまりんプロジェクトと日本大志会が瓦解する」シーン。つまりひまりんの成功は予測していなかった。なので、9巻のラストは「ここまでやってしまうのか」と思ってしまった。
いや、一ラノベ読者として考えれば当然このラストは想定され得るべきものなんだが、ここに至るまでの手法が(幾つもの誇張や飛躍はあったが)かなり正当な手段と思う方法を取っていたため、この流れに則る以上は頂上にたどり着くのは無理だろうと思っていたのだ。正直言えばその部分、特に8−9巻で海外勢力が一気に流れ込んできたあたりをもっと丁寧に描いてもよかったのではないかと思う。特に米中台揃い踏みになったところは流石にご都合主義にもほどがあるのではないかと思わせてしまう。ラストもかなりの駆け足で、どうせやるならそこも書いてくれよ、と何度思ったことやら。
そんなわけでアイドルの話は無くなってしまうだろうけど、ひまりんの「独裁」の物語も見てみたい。まあその時に颯斗がどういう立ち位置で絡むのか、ないしは絡まずにいくのか、それを含めて確認はしてみたい。