アルドノア・ゼロ

ALDNOAH.ZERO
今期終了第三弾。こんな静かな終わり方になるとは。
第一期のあの終わり方から想定していた終わり方とはまったく違っていた。「艦これアニメ」のような批判的意見ではないけど、こんなに落ち着いた、そして「恋の鞘当合戦」の結果が三方敗北になる結末は視聴者は望まず、もちろん想定もしていなかっただろう(しかも主要メンバーの死者ゼロ)。しかし少し俯瞰で物語を見直せば、これはこれで普通にアリな結末だったようにも思う。物語の力の方向がそのような向きになっていたし、視聴者へ驚きを与えるという意味で言えば「昨今当たり前になったご都合主義のちょっとした排除」というスパイスになったであろうと思う。
ラノベ的な展開を望んでいた層からすれば、この終わり方は満足するものではないだろう。しかしそれぞれの立場、状況、結果を考えるとある意味においてはとても妥当性のあるラストだったと思う(それが楽しく満足のいくものかは別にして)。それゆえに全部を見終わった後の肩透かし感覚、いわば寂寥ともいえる感覚を思い起こされるのは当然であろうし、そしてスタッフ側もそれをある程度意図していて作っていたように思う。それがすっぽり当てはまり、作品にも一定の支持が得られている時点でこのアニメは成功の部類に入ると思う。
まあそういう部分の対極にあるのが戦闘描写の数々だったわけだけど。往年のスーパーロボットを髣髴とさせるさまざまなギミック、主役無双すぎて退屈になるほどの戦局などなど、エキセントリックな要素が満載だった。それこそ「これ最初からスパロボ参戦狙ってるだろ」といいたくなるほどでとても楽しかった(主人公無双は個人的には好きじゃないんだけどね)。そしてすばらしい曲とBGMの数々。これは文句なしだ。昨今の洋ゲーで使われる重厚な音楽に対抗できる心踊り血が騒ぐすばらしい楽曲だった。BDを買う予定はないけれども、OSTは買ってみたいと思っている。