艦隊これくしょん-艦これ- 陽炎、抜錨します!(5)

駆逐艦万歳」。実感を持って唱えられるこの言葉の重さ。
いやあ、本当に大好きなシリーズだ。架空戦記の描き方がわかっていてゲームもよく知っている人が描くとこんな作品になるんだという好例。今回は北方海域というので発哺ちゃんとか出てくるかと思ったけど、実際には「奇跡の脱出」といわれたエピソードの再現だったとは。そして陽炎以外の艦娘にもしっかりとスポットが当たって成長している様子が生き生きと描かれている。この作者が面白いのは、ロリ要員ともいえる駆逐艦たちを、ガチの駆逐艦乗りの気性を見事に具現化していっぱしの駆逐艦乗りにしていること。彼女らは死を恐れない。しかしその時が訪れるまでは全力で生きて、それを成してくれる上司を全力で信じる。その生き様をここまでしっかり描く作品はそうそうあるものではない。
しかし何が悲しいって、作者自身が後2巻で終わると宣言してしまったことだ。もっともっと続けてほしい物語なのに。