小指の先の天使

小指の先の天使 (ハヤカワ文庫JA)

小指の先の天使 (ハヤカワ文庫JA)

積んでいた本に神林長平が埋もれていたので読む・・・が、おかしい。間違いなくいくつかのエピソードは読んだことあるぞ、これ。長い時間かけて書き続けた連作集だからゼロってことはないんだろうけど、問題はいつどこで読んだのかまったく記憶にないこと。違和感があるだけましなのだろうけども・・・。
と思いながら桜庭一樹氏のあとがきを読む。読んで「ああ、神林ファンってやっぱみんな同じ気持ちになるのね」と遠い目になったり。でも一人の作家を20年の流れで定点観測的に読めるこの作品は、毎年柱に傷をつけて成長を記録するかのような「神林長平」という作家の貴重な歴史資料になりうると思う。作品自体が時系列ではないので混乱するけど。そして、数年に一度「敵は海賊」という形で「神林長平祭」がやってくるわけだ。
神林長平に出会ったのはたぶん中学生時代。「敵は海賊海賊版」だった。確か当時のパソコンゲームに「敵は海賊」があってそれをパソコン雑誌で見つけてなにか興味を引かれ、原作を探したのが最初だったような気がする。あれから何年経ったっけか。いまだに神林長平のファンを続けている。