ムカデ人間3

映画「ムカデ人間3」オフィシャルサイト
1は友人と見に行って、ホラーのはずなのに爆笑した。2は一人で見に行って吐き気と本気で戦った。そして以前から話のあった完結編の3ができたというのでやっぱり一人で見に行った(というかとても気軽に友人誘える映画じゃない)。何を期待したってそら「500人どうやって繋ぐのよ?」に尽きる。だってそういう映画だし。
結論から言えば、その期待は大いに裏切られた。前作2つは方向性が違うとはいえ、明らかに「ムカデ人間」は目的そのものだった。しかしこの完結編におけるムカデ人間は「手段」に成り下がってしまった。つまり、「500人どうやって繋ぐの?」の答えは「繋いだんだよ!」というなんとも肩透かし。いや、所詮B級だからそこまで文句言うのもアレなんだけどね。
今改めて考えると、この第三作は「ムカデ人間の三作目」ではなく「ムカデ人間を三回作れたよ、みんなありがとう!おめでとう!」映画なのかもしれない。いわばファンムービー。おそらくこの三作目だけみた人は「なんか話題ほどのものではない」という感想しか残らない気がする。ホラーグロゴア表現耐性(またはそれがすきな人)がみてもやっぱり中途半端だろう。しかし1と2をみた人にとっては、「おお、あの人が!あの小道具が!」が全編あちこちに散りばめられていて、クスリと笑える要素は多数(実際劇場でも、大爆笑はなかったとはいえこういう笑いは随所に出てた)。あとあえて言えば、普通ならピー音で全部埋め尽くされるような表現が、すべてピーなし。さらにアメリカ合衆国国家をこういう作品でパロってしまう神経の図太さ(苦笑)。何かの皮肉なのか、それともそれすら純粋なギャグなのかわからないんだけど…。とはいえ、主役のボス(1作目の博士役でもある)はまさに快演と言えるし、秘書役(2作目の主犯?)もいい味を出してる。B級ホラーではあるけど、それゆえに役者バカっぷりもまた見事に出ている。エログロゴア耐性があるならそのつもりで観に行くのもいいかもしれない。
そうそう、最後スタッフロールを見ていたら最後の方に「Thank you for brave Extra!」(勇敢なるエキストラたちに感謝!)とあってなぜか和んだ(苦笑)。そりゃそうだよねえ、この作品のエキストラは作品内容だけじゃなくて演技(?)するのも肉体的・精神的にとんでもなくハードだろうからねえ。

個人的に感じている三作の概要。

  • ムカデ人間:多少のエログロ描写はあるが、比較的サイコホラーに近い。また被害者役の日本人男性役者の快演(?)に爆笑必須。絵も綺麗なので初めてならおすすめ。
  • ムカデ人間2:グロゴア表現に突き抜けてる。本当に容赦ないので、そっち方面に耐性がない人は見ない方がいい。多分本当に吐く。自分も結構強い方と自覚してたけど、吐かなかったとはいえ(やばかったけど)、1箇所だけどうしてもダメで目をそらしてしまった。
  • ムカデ人間3:エログロギャグ。今までになくエロが前面に出て、役者の快演がギャグにつながる。グロゴアもあるけど、前2作を知っているとかなり生ぬるい。単独で見るとB級評価も厳しいと思うし、作品の半分を楽しめないので1と2を見てからをおすすめ。