ガンパレード・マーチ2K 未来へ(4)

・・・なんだよ、これ、というのが読後の率直な感想。もともと三巻が終わった段階で「まだまだ続くなあ」と思っていたらいきなり完結扱いで、しかも読めば読むほど「終わる気配がない」。どういうことだ、もしかして完結はブラフで新シリーズの開幕!?なんて夢想していたら、残り十数ページであの展開。これまで榊氏が積み上げてきた仮想戦記的な情報とキャラクターをしっかり積み重ねて描く手法が突然消滅し、なかばやけくそとしか言いようのない乱雑かついい加減な展開、そして最後のあれと不穏当なあとがき。もう物語の感想なんて全部吹っ飛んでしまった。
物語最後の行間やあとがきの雰囲気から察するに、明らかに榊ガンパレの進行をあからさまに妨害する勢力(その一人は旧担当だったのだろう)が出てきて、きわめて強引に決着をつけさせられたと想像できる。おそらく最後、キャラたちの自暴自虐な暴走、統率の取れない自衛軍の状態、皆がぼろぼろになってどうしようもない戦局となげっぱなしの展開。冷静に距離をとってみれば、それら抵抗勢力へのせめてものあてつけだったと思うほうが自然だと感じる。これが事実なら、自分の感情のためにこれまで積み重ねてきたキャラクターを一種「私物化」してしまったともいえるが、そこまでやらないといけない何かがあったのではないだろうか。
可能なら、どこか編集部が版権ごとまとめて借り受けて「真のエンディング」を書いてもらえないだろうか。一番最初からリアルタイムで追いかけていた一ファンのせめてもの願いだ。