ガッチャマン クラウズ インサイト

ガッチャマン クラウズ インサイト|日本テレビ
今期終了第5弾。第二幕の終わり。
基本的には前作が「集合知の危険性を認めつつもその可能性を見つめる」テーマであり、今作はその裏側である「集合知の可能性を認めつつも、その危険性を見つめる」テーマとしていた。もともと予定されていたのか、第二期が途中で決まってしまったのでテーマを考え直したのかは不明だけど、この二部構成の科が見合わせテーマは、社会派アニメ的な見せ方としてはなかなか面白い手法だったと思う。それに、双方のテーマともすでに現代SNS社会の抱える問題点そのものでもあるわけで、客観視できる視聴者であれば「ただのエンターテインメントじゃなくて、このアニメを見ている人に対する皮肉」でもあるわけだ。それゆえになかなか痛いテーマであり、同時に考えやすいテーマでもあった。
第一期の頃は「本当にこれガッチャマンである必要があったのか」といわれていて、正直その疑問は今回も解消されていない。ただ「ガッチャマン」という過去作としての単語ではなく「ガッチャ」という言葉と「マン」をくっつけて、新しい意味としての「捕まえる者」「理解する者」として捕らえなおしてみると、なかなかに暗喩的な意味になって面白いと思う。
映像、音の尖った使い方は昨今のタツノコ特有の癖が出ていてなかなかに面白かった。新ガッチャマンシリーズはもうないだろうけど、この演出や表現を使った新しいタツノコアニメに期待したい。