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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
今期終了第X弾。期待したとおりの内容だった。
おそらく「これがガンダムなのか?」という人も居ると思う。その最大の原因は、メカ(MS)がまったく表立った活躍をしていないことだろう。そしてそれには同意する。過去においても、ガンダムシリーズはまずMSありきの物語といっても過言ではなかったのは事実で(富野監督の意図とは違うだろうけど)、それゆえに様々なMSの登場とバトルを楽しみにしていた人が多かったはずだ。その観点で言えば、本作のガンダムやMS群はその条件を満たしてはいない。
だが面白いことに本作はそれが原因による盛り下がりはあまり感じない。「人の心の機微」いやさ「人のどす黒い情念」を美しい物語で描くことに長けた今回のガンダムスタッフ。その実力は遺憾なく発揮され、このガンダムは「人の物語」であった。それゆえに、MSやメカはどうしても目立ってこない・・・が、それがよいのだ。ここではガンダムの名を冠するメカですら、あくまで「意思を持った人に操られるモノ」なのだ。その描写は、黙って主人にかしずく犬のように忠実とすら言える。最終回の阿頼耶識MSどおしのガチバトルですら、あくまで「人の意思によって動くメカ」という立ち位置になんら違いはなかった。従来のガンダムは、パイロットの血の変わりにMSがオイルを流した。しかし本作に限っては、まず人が血を流す。死亡フラグが立てば大人子供も容赦なく散っていく。メカが人の代替をする必要がないのだ。
だから、少なくともこのガンダムは、自分が見てきた昭和・平成すべてのガンダムシリーズの中でもおそらくトップクラスに気に入っている。Aパートが終わった時点で、「なんかこのまま物語が終わりそうな雰囲気だけど、なんとか分割二期であってくれ!」と祈るような気持ちで画面を眺めていたほどだ。
おそらく第二期は数年(もしかしたら10年単位)経った話だろう。少年たちは青年や大人になり、それぞれの立場も変わっているだろう。そしてまた死ぬ時は容赦なく死んでいくだろう。それゆえに、本当に楽しみで仕方がない。