メカクシティアクターズ

「メカクシティアクターズ」公式サイト
過去作消化。ここまで純度の高い厨二病も珍しい。
原作?未読。普通どんな作品でも現実的な常識や世界にある程度はリンクしているものなんだが、この作品はそれを徹底的に排除している。いや、正確に言えば「リンクさせるべき世界そのものを知らない」といったほうが正しいのかもしれない。とにかく衒学的な話「だけ」で、キャラクターの万能感とエヴァ以降の世界に対する倦怠感を、一人の脳内の世界だけで成立させている、そんな感じがする作品。それゆえに、物語自体には正直殆ど感想らしきものはない。非現実感と自身の万能感だけで作られた夢物語なんて、事実上中身なんて空っぽも同然だからだ。
おそらくシャフト制作というのも、新房監督のエキセントリックな映像演出が欲しかっただけであり、監督自身の技量を求めてのことではなかったのではないだろうか。それゆえに「総監督」であり「監督」は別の方がやっていたと感じる。
まあ自分がオタクになった頃、それこそ厨二病どころかオタクの言葉もないはるか昔の自分であれば、もしかしたらそういうのを抜きに嵌っていたかもしれないけれども。流石にいい年した中年オタクが疑問もなく遊べる世界ではないだろうな。