マクロスΔ

今季終了第2弾。一体何をしたかったのか。
初代を含めてテレビシリーズは全部、それ以外もそれなりに見て楽しんできたけど、正直本作は盛大な肩透かしでしかなかった。というより、マクロスを作りたかったのではなく、二次元アイドルブームに乗っかろうという下心がスタートだったのではないかとすら邪推する。
いわゆる「歌と戦闘シーンのマッチング」というBGMの使い方そのものを、アニメ黎明期から物語構造そのものにしてきたのがマクロス作品群。その中にあってマクロスΔは「とにかくアイドルユニットを前面に出したい」ということだけが先行してしまい、ついには戦闘部隊よりも前で歌うことになってしまった。従来あったヴァルキリー等の戦闘ユニットを歌の力でバックアップ(またはブーストする)という方法論がひっくり返り、戦闘も歌もとにかくアイドルがいれば良いという状況を第1話で目の当たりにし、面食らうと同時に「これどうするんだろう」という不安を覚えた。そして結局その不安は最後まで解消されることはなかった。
正直、歌の力とバジュラネットワークの応用で銀河を支配・・・なんて話は、それまでの展開から考えると飛躍・蛇足もいいところ。予期せぬ打ち切りになったので、もう適当に風呂敷広げて撒き散らして終了します、という最終回にしか見えなかった。なんせ、結局物語上の謎も因縁も解決していないし、マクロスシリーズの醍醐味でもある恋の鞘当てすら、ヒロインもヒーローも揃いも揃って内気ばかりで、ラスト15分の危機的状況のヤケクソで叫んで余韻もなくくっついて終了。なんなの、これは。最終決戦の血湧き肉躍る興奮の坩堝はどこに行ったの。
本放送残り数分になって「きっとこれは第2期か劇場版で続き、なんだよな?(それで面白くなるかは全くわからないけど)」と思い始めて、エンドクレジット中それだけを待っていたのに、結局なんら音沙汰なし。まあ最近の販売は、終了直後はあえて何も言わないことが増えて切る気もするけども。が、ともあれ、少なくとも自分の中では「マクロスシリーズ」としては「最低の物語だった」としか言いようがない。