異世界食堂

今期終了分。ぎりぎり赤点、かな。
原作未読。作品としてのコンセプトはわかったんだけど、どうにもそこを生かし切れていない感じがすごかった。ラノベやなろう系で受けているキーワード「異世界」「食べ物系」を使うということだけで描き始めたけど、コンセプト設定でほぼ終わってしまって、あとはキャラと料理を繰り出すだけで精一杯になった、という。
この手の作品だと「料理」をいかにうまそうに見せるのかがポイントだけど、「一枚絵」としてのきれいさだけを求めた結果、シズル感というか、動画としての「うまそうに魅せる絵」が完全におざなりになっていた。つまり「食品サンプル」みたいな絵でしかない。例えばスプーンですくった後に周りが少し崩れる様子、スープやトロミがじんわりと動く様子、そういうものがほとんどなかった。それは作品のテーマとしてはかなり致命的。
ファンタジー世界の住人が入れ代わり立ち代わり訪れてちょっとした交流をする、というのは悪くないけどそれも完全におまけ程度だったし、それ自体にサプライズや仕掛けがあるわけでもない。正直言えば、最終話の店主の正体?の話は「心の底からどーでもいい」話だった。それをやるなら、「店の扉の時空ワープ」とその理由にもっと焦点を、なんなら中心に据えて物語を再構築した方がはるかに良かったと思う。