乱歩奇譚 Game of Laplace

過去作視聴(2015年作)。知らなくてもそれなりに楽しめた。
乱歩は知っているけど実際に読んだことがあるのかと問われると、おそらく中学生の時に何某かの作品を一本読んだ程度。なので正直楽しめるのか疑問ではあったけど、現代風にアレンジしなおしたおかげなのか、あるいは原作よりもわかりやすい構図になっているのか、普通に一本の作品として楽しめた。まあ…少年探偵コバヤシ君をあそこまで愛くるしいショタに仕上げる必要があったのか、という疑問はあるけども。ああいうフックを作らないと受けないかもしれないという制作側の焦りもあったのかもしれない。
実際の怪人二十面相がどういう作品だったのかは知らないので、本作が原作を知っている人の目にどのように映ったのかは知る由もない(まあネットでブログを漁れば少しは出てきそうだけど)。ただ、現代風の社会病理をうまい具合に切り取った(ないしはアレンジした)のは間違いないと思う。ここまであからさまではないにせよ、社会法制や警察機構の取り締まりと、一般大衆の犯罪敵視の感覚はずいぶんと離れてしまっているのは事実ではあるし(それが正しいかどうかはともかく)。まあ乱歩をよく知らない立場からの考えなので、本作が「あくまで乱歩を軸にし、そういう層に訴えかけた作品」である以上、見当はずれな意見かもしれないけども。
(付記)ちょうど同時期に放送されていた「ガッチャマンクラウズインサイト」でも、ネット社会を模した実験的な作品をやっていたところを見ると、ちょうどそういうテーマが流行っていた時期だったんだろうか。