第28期東京都青少年問題協議会の結果と、ネット規制の新たな展開

双方ともかなり残念な内容になっているみたい。規制派の「青少年の健全育成のためにメディアを管理しなくてはいけない」という理屈は、中国がリアルタイムで実施している情報規制の名目と何一つ違っていない。でも、「中国の規制は悪い規制。日本の規制は良い規制」としているメディアや識者の論理が恐ろしすぎる。
ともあれ、ひとまずいつものようにカマヤンさんと鳥山さんのブログを確認するところからはじめたい。
2010-01-16 - カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記
王様を欲しがったカエル |関口太一都議とお話をさせて頂きました。

  • 第28期東京都青少年問題協議会

http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2010/01/40k1e100.htm
12月上旬にパブコメを募集していた案件のまとめ会議があった模様。東京都のHPには結果と「反対意見に対するコメント」しか記載されておらず、「賛成・反対の比率」や「それでどうするのか」と言ったことは皆無。これら情報については、鳥山さんの1/13エントリのコメント覧にまとめてあるので是非見ていただきたいが、『反対が9割』『反対意見は事実誤認なので無視』>『このまま規制を進める』という素敵な論法が展開されたらしい。規制派の主張が正しいことを前提としても、読み手の9割が事実誤認する書類って、普通の会社だったら説教のうえ一からすべて書き直し。「誤解を生む部分の微修正」で済むはずがない。こんな人々が青少年育成の委員をやっているなんて、酷すぎる。

「児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体運用ガイドライン(案)」に対する意見の募集について
児童ポルノURLリスト作成管理団体のガイドライン案が公表 -INTERNET Watch Watch
http://d.hatena.ne.jp/killtheassholes/20100117
関連業界に散々自主規制だの何だの対応させておいたにも関わらず、結局「自分たちの思い通りにはならない」ことが腹に据えかねたのか、サイトブロッキングを公的に仕掛けることを検討しはじめたらしい。ようするに公権力によるネット規制。民間に委託…とあるけど、この手の動きで本当の意味で「公権力の影響のない民間団体」なんて日本じゃ実現できるはずがない。中国の規制とどこが違うんだか。意見募集をしているようなので、是非送りたい。
この手のパブコメの効力(特に反対とする場合)についてはかなり疑問という気持ちは、昔から変わってはいない。だけれども、だから何もしないというのは、戦闘放棄同然でこの手の規制に対して意見を語れなくなるも同然なので(しかも今回の東京都の件では多少なりとも影響があった様子だし)今後も続けていきたい。
(追記)
このエントリにtwitter経由で飛んでくる方が増えていたので「?」と思い調べてみると、どうもその界隈で有名な方がパブコメへの思いの部分について引用されていたようで。確かに意見そのものの効力は疑問ではありますが、結局は「数は力なり」の世界と言うことなんですね。ただ、理由はどうあれ、その数の一つとして協力できている形が見えることは、少なからず勇気がわきます。