グラスリップ

TVアニメ「グラスリップ」公式サイト
今期終了第6弾。やりたい事を詰め込みすぎたのでは。
P.A.Worksは大好きな制作会社なのであまり批判めいた事は言いたくはないんだが、ちょっと今回はやる気だけが空回りした印象が強い。雰囲気としてはtrue tears的なものを改めてやりたかったのだろう。そのため改めて盛り込みたい事を整理して人数を増やし、それぞれの絡み合う関係性を「一夏の想い出」というレールにのせて視聴者に見せたかった、そこまでは分かる。
ただ1クールで片付けるには人も内情も多すぎて、さらに「謎の未来視?」的な要素まで放り込まれてしまっては、もはや視聴者は理解して追いつくだけでも大変だ。そして、残念ながら今の日本のアニメは一つに飽きても「他の選択肢」も容易に見つかる状態だ。各キャラクターの心情を丁寧に追って、それを理解して、キャラ通しの関係性を整理して見続けてくれるほど親切な視聴者は少ない。結果、「訳が分からないうちに、勝手にキャラが片付けて終わってしまった」だけの作品にしか見えなくなった。個人的には、透子と駆の関係性を「もやもやした蜃気楼映像」に頼る事なく、他の二人同様に現実的なアプローチで設定した上で「仲良しこよしの集団がグループ交際的なもつれ合いの末に、丸く収まる」という形にした方が良かったように思う。あるいは「もやもや〜」に頼るのであれば、もっとそっち側のSF的要素と設定を強く使うべきだった。なにせ、作品が終わったときに記憶に残ったのは「幸と祐」のカップルであり、残り二組は「恋人未満」のせいなのか印象が薄い。
作画描写は相変わらず文句のつけようがない(狙ってたとはいえ、ちょっと今回は止め絵が多すぎた気もするけど)。ただオリジナルとしての物語は厳しいないようだったとしか言えない。ファンとして残念だ。