フューリー

映画『フューリー』公式サイト
ガルパンストパン・艦これ」とのコラボで宣伝してたけど、完全にそっち側のイメージ「だけ」で見に行った人はひどい目にあったろうなあ(苦笑)。もしかしたら、昔懐かしい「米軍ひゃっはー」な展開の映画なのかと少し思っていたんだけど、もう冒頭の展開から「あ、これは昨今のハリウッド戦争映画のテンプレや」と覚悟完了した。そしてその予想通りの展開で「ハリウッド脚本は一種テンプレート化してしまって、どれも似た様な展開になっている」という弊害論をある意味まざまざと見せられたという感じ。なので、物語としては「とある戦車兵が見た地獄の戦場」以上の何物でもない。
ただ、ある程度内容に予想や覚悟ができているのであれば、それなりに見所はある。一番は昨今非常に少ない「戦車兵の視点」の物語であること。ガルパンで「戦車が一つのチーム、仲間」という見せ方を提示していたけど、その源流がここに見て取れる。狭い空間で5人の兵士が命を共にするわけだから、そりゃ絆も深まるよなあと。もちろん、ハリウッドお得意の「戦闘という狂気の現場」としての見せ方もいつも通りではあった。とはいえ、本物の実写を使った映像や見せ方は非常に興味深かった。ガルパンでもある程度見せてはいたけど、そこは女子高生の体格を前提にした縮尺。今回は普通のおっさんたちが5人車内に乗り込んだらどうなるのか、というのがよく見えた。やはり本当に狭いんだな、と思うとともに、これでもシャーマンは居住性は良いと呼ばれていたことを考えると、他国の戦車の内部はどれだけだったんだと。あとエンディングの戦争実写。あれ、ヨーロッパ戦線だけじゃなくて太平洋戦線の地上戦もまざってたよな?明らかに日本人とか日本戦の映像がまざっていたし。どういうことだろうか。
まあ突っ込みどころも色々あるんだろう。自分はそれほどディープな知識はないので細かくは言えないけど、「スターウォーズみたいな派手かつ乱舞しすぎる曳光弾はどうにかならなかったのか」とか「パンツァーファウストたくさん持っていたのにほとんど役に立たないってどーゆーこと」とか「幾ら何でもその多勢に無勢での無双状態はハリウッド的展開とはいえ作風にあまり合ってないのでは」とかは気になった。