エッシャー展

エッシャー展~視覚の魔術師~
知り合いが見に行って「良かったよ」とのことだったので見に行ってみた。もとより、エッシャーのだまし絵の原本を見ることができるなら、その機会は外すべきではない。場所はそごう美術館。そごうの中に常設されている美術館。面積はそんなに大きくはないけど、遮音もしっかりしているようで展示品に集中することができた。
で、結局のところ、有名作品の展示以上に、エッシャーがそれを作るに至った作品群の方がはるかに面白かった。いわばあの有名作品は「最後の答え合わせ」であり、それまでの「計算数式経緯」はさほど知られていなかった(少なくとも自分はほとんど知らない)。それを時系列ごとに作品を並べることで、非常に理解しやすい展示になっていた。「ああ、なるほど。この流れであれができたわけね」とスッと理解ができるのだ。
それにしても驚きは、あの作品群の大半が「木工版画」であったことだ。てっきり、銅板エッチングとかでやっていたと思ったのに、あの繊細な線が全部木版画ってどういうことよ、と。会場にはその疑問にこたえるかのように、版木原板も展示されていて、確かにそれを見ると間違いなくここから刷りだしていることが見て取れる。それゆえに、なおさら驚くというわざるを得ない。どんだけ繊細だったんだ、エッシャーさん。
とはいえ、1点ずつじっくりと眺めていたせいか、全部を眺めるのに3時間前後かかってしまった。知り合いは1時間くらいで見たといっていたから、かなり時間をかけすぎてしまった(本音を言えば、もっともっとゆっくりじっくり眺めていたかった)。