ブレイブウィッチーズ

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今季終了第9弾。SILVER LINK.の超手抜きアニメだった。二度と関わらないでくれ。
過去作視聴済みにしてシリーズの大ファン。そんな自分の中における本作の意義は「ワールドウィッチーズシリーズの命脈を保った」「陸戦ウィッチの公式化」の二種類しかなく、正直それ以外は評価できない…というかしたくない。理由は簡単で罵詈雑言しか出てこないから。
シリーズという前提を抜きにして本作を評価すると、本当に駄作の一言しかない。演出のやりようはいくらでもあるのに、わざとやっているとしか思えないほど平坦な物語展開。キャラの個性も思ったほど出てこず、一番盛り上がったのは最終決戦でもなくエイラーニャが出てきたときってのは新作としては本当に致命的ではないかと。じゃあシリーズであることを前提にしたらどうなるかというと、もっとひどい評価になってしまう(泣)。
先に行っておくとSW第1/2期も、正直言えばそんなに良い出来ではなく「痒いところに手が届かない」点は何にも変わっていなかったりする(苦笑)。シナリオも結構酷かった(苦笑)。ただ可愛い女の子とクロッチ描写「だけ」に命を懸けた監督(ミリタリーにはほとんど興味はない、と当時のインタビューでも答えている)に対して、一部ミリタリー愛好者が頑張ってそのあたりの濃い要素をぶち込んでくれたおかげで、想定外の化学反応が起こり成功に導けた。一部にCGを導入したのも目新しいといえる。平成日本アニメの「萌えミリ」は事実上ここがスタート地点と思ってもいい(もちろん過去にもそういう系作品はあったけど、長期にわたって話題になった作品はなかった)。
ブレイブウィチーズ最大の問題は、すでに8-9年前の作品で行われたその技法&演出をそのまま使ってしまったことだ。例えば初期に失望させたCG演出などはその典型。あの当時であればCGを使うだけですごいと言えたが、今や「フル3DCG週一アニメ」が放送され、その演出技法も加速度的に向上している状況である。そこに「卵にテクスチャを貼っただけで喜ぶ3DCG初心者」みたいな絵を商業アニメで使う決断をしたこと自体が異常…というか「完全に手抜きのために導入した」としか思えなかった。おまけに、第1/2期の評価を下支えした「かわいいキャラのクロッチ描写」「重箱の隅ツツキに耐えられるミリタリー演出」をきれいさっぱり吹っ飛ばし、代わりに3DCG演出を入れた…んだろうけど、これも前述のとおり「手抜きのための方法論」にしか見えなかった。陸戦ウィッチの登場も同様。ずっと彼女らの存在の公式化を待ち望んでいた自分にとってあの瞬間は至福であったのだが、同時に「キャラデザの統一感すら無視された、違和感ありまくりのあからさまな一枚絵」に、とんでもない脱力感を覚えたのも事実だ。
そういえばほかに一点評価した事に「キャラが生死判定を必要とするけがをする」があったか。第1/2期では監督の意向で「絶対に死なない」事がうたわれていてそれは本作でも同様なのだろうけど、その影響か大けがの描写はほとんどなかった(出血描写も)。その部分を一部ではあるが解禁したことは、多少なりとも視聴者に緊張感を生んでくれた。まあその程度ではあるが。
それとは別でOPの「http://asin:B01KJFAHOEアシタノツバサ」は良かったな。特にサビのところは、声自体は張り上げていないのにメロディーラインと転調がとてもいい味を出していた。なので石田曜子さんについてはずっと良い仕事をしてもらえている。

舟を編む

今季終了第8弾。少し目から鱗の物語だった。
いつものノイタミナ枠として見ていたけど、「辞書を作る」ことに時間軸を据えて、そこにキャラをぶら下げる手法はなかなかに興味深かった。辞書の編纂はなーんとなく知ってはいたけど、こういう形とはいえそれを知れたことは非常に感謝している。なんとなく時間はかかるものとは思ってはいたけど、人の出会いや生死が当たり前のように発生するほどの時間の中で作成されていることは正直なところ驚きだった。良いお仕事アニメだったと思う。
しかし馬締と林があっという間(なんだろうか)に一緒になったのはともかく、子供を作らなかったのがちょいと驚いたかな。まあふたりとも仕事が忙しそうだし生きがいみたいなもんだから、それはなくてもいいか、と割り切った結果なのかもしれないし、それはそれで「らしい」気はした。その代わりが西岡さん一家だったのかな。

バーナード嬢曰く。

今季終了第7弾。続きが見たい。
原作既読。原作者の要望でキャラはアニメ用に可愛くリファインしたようだけど、正直それを抜きにしても十分に面白かった。特に神林のキャラ立てがいい塩梅だったように思う。そして一応本読みな自分にとって色々耳の痛いアドバイスをありがとう、神林(苦笑)。もうちょっと真面目に本を読もう…と思いつつも、体力や仕事でなかなかその時間が確保できないジレンマも悲しい。
しかしこれはほかの視聴者も思っただろうけど、町田さわ子、お前どうこう言ってそれなりに本読んでいるやん!しかも現在巷に氾濫しているラノベじゃなくて、分量はともかく古今東西の文豪作品(翻訳)にちゃんと触れているだけで、すでに本読み初級はクリアしてるよ!

WWW.WORKING!!

今季終了第6弾。なんかあっさりとくっつくな。
原作未読。1クールで、かつスピンアウト作品ってだけあって、基本的には眺めて終わるだけの作品だった。いや、正直主人公と先輩が「付き合わない」エンドもあってよかったと思うんだけど、なんかあれやこれやと後半は物置整理のようにカップル成立続出してしまったのが萎えた…というか「ふーん」という身もふたもない乾燥しか残らなかった。物語構造も本家と似てたしね。

文豪ストレイドッグス 第2期

今季終了第5弾。前半は必要だったのか。
原作既読。すぐにギルド戦が始まると思ったら、見たことがない過去話が始まったのはかなり驚いた。その話自体はよかったのだが、それ故にギルド戦がひたすら原作をなぞるだけになってしまってそこが非常に残念だった。前半の過去編であそこまでやれるのであれば、むしろギルド戦のそれぞれの戦いをもっとじっくり見たかったのが正直なところ。
個人的にはラブクラフトvsQを特に楽しみにしていたんだけど、本当に原作そのままであっさりと終了したのががっかりだった。狂気小説の本人がコズミックホラーの権化をのぞき込んだらどうなるのか、そしてラブクラフトの恐怖が「物理的や見た目の怖さ」以上に「まったく人知では理解できないが、理解できないがゆえに強い好奇心からさらに理解しようとして、答えのない思考迷路に放り込まれる」という「思考の恐怖」だったんだけど、ここが原作と全く同じで(かつ見せ方まで)残念無念。
最終話の引きからすれば、第三期もやる気満々らしいので、1-2年以内には続きが見れるのかな。

終末のイゼッタ

今季終了第四弾。尺が足りなかったかなあ。
ミリタリー枠としてはそれなりに満足できた。キャラも結構気に入っていた。舞台装置もいくらでもいじり甲斐がある気がしたのだが、縦横無尽にそれを使い倒すにはこの話数はかなり短すぎたか。その弊害は脚本に直接表れてしまっていて、尻切れトンボではないにせよ「物語の中抜き」が多く、次に物語を動かすことを理由にしたあからさまな脚本誘導が物語中盤目についてしまった。
ミリタリーや戦闘描写は特に文句はないし(ミリタリー系ゲーム&出版がバックについただけのことはある)、キャラもなかなかに魅力的。結構あっさりと退場してしまうのも、変な英雄補正がないことを考えると因果応報的で悪くなかった。その前提だけでも、より容赦のない「戦争」を描く材料がたくさんあったはずだ(少なくとも重要そうなキャラをああやって撤収させられる覚悟があったのだから)。なので、せめて2クール分枠を確保して、じっくりと攻めても良かったんじゃないかなと感じる。まあ、今時完全オリジナルで描写も大変そうな話を2クール分お金を出してくれるところもないと思うけど。
イゼッタの最終決戦の詳細とか、その後の物語とかをもっと詳細に知りたいところだけど、後日そのあたりを小説か何かで出してくれる予定はないのかな。ぼったくり価格でなければ読んでみたい。

Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-

今季終了第三弾。ラスト数話の展開はなかなかに良かった。
シュタインズ・ゲートから続く系統の新作としてはちょっと盛り上がりに欠けたかな。舞台装置…というか、シュタゲ同様に、科学と魔術概念がどことなく混同していた1900年代後半の技術やオカルト的な歴史をベースにした設定を考えた時点で満足してしまって、それを舞台設定に落とし込む際にずいぶんこじんまりしてしまった感が強い。もっと世界を広げていれば面白いと思ったんだけど、なんというか…仲間内で楽しむオカルト系TRPGのシナリオを読んでいる気分だった。
キャラは正直かなりエキセントリックすぎて少し引いたところがあるのは正直なところ。でも謎解きルートからヒキオタニートから英雄へのランクアップシーンは、まっすぐだけど現代らしい味付けのされた展開で血が滾ったのも事実だ。最終回を見終わってからは、もう少しこのキャラたちを眺めていたいな、と素直に思った。ゆえに、ゲームも買う方向かな。
というか、あの終わり方はおそらくゲームの中では「通常エンド」の一つであって、いわゆるTrue Endではないということなんだろう。ゲームが発売してある程度売れたならば、真エンド用の続編が出てくるのかもしれない。