劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語

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ファンであればあるほど見る人が疲れる映画。人によっては「ファンの二次創作を反映してくれたけいおん」かもしれないし「イデオン劇場版」かもしれないし「ウテナとのコラボ映像」かもしれないし「ゼーガペイン」なのかもしれない。
私個人としては、もとよりまどか☆マギカの物語が平和裏に終わるとは思っていなかったし、事前に虚淵さん自身が警告めいたツイートをしていたようなので「ああ、概ね想定どおりかな」と見る前に考えていたらそのとおりだったと、そんな感じ。
というのも、TV版最終回を見た時の感想でも思ったように「ラストのあの映像は、とてもハッピーエンドに向かっているとは思えなかった」だったからだ。まあ実際にはそこから更にヘビーな内容になっていたわけだけども、そこに至るまでのほむらの思考はなぜか非常にとてもよく理解できてしまった(完全に狂った”愛”になってしまったけど、それもまた致し方なし)。すんなりとあのエンディングを受け入れている理由もそこにあるんだろう。というか、OP映像の段階ですでに「これはほむらが絶望する物語ですよ〜」と宣言してしまっているわけだけど。
前半の物語は、まさにファンが育て上げてきた「まどか☆マギカ」世界に対する公式からのお礼の空気を感じていた。誰もが「ああ、こういうの見たかった…でも実際はそんなわけないからなあ」と思って二次創作を書いていただろうから。まあだからこそ「見たかった絵だけど、これちょっと都合良すぎないか?しかも虚淵脚本でさ」という疑念も湧いてきていたんだけど(苦笑)。当時話題になった劇団イヌカレー映像が最初から全開で飛ばしまくっていたのも「すごい映像だけど、サービスし過ぎでは」というのもあった。
だからイヌカレー空間で描かれた5人の変身シーンが、どこか不安定さと狂気を感じさせるものだったことに少し安心したし、中盤の「ほむらと杏子の会話」あたりでこりゃ虚淵さんやりそうだなあと一人でニヤけはじめてしまった*1。そして「ほむら魔女確定」で一般的なハッピーエンドはないなあと安堵(おい)したのも事実。むしろ、「対ほむら魔女解放戦線」シーンのほうが、「あれ、なんかすげーいい方向に話が転がってない?あれ?」と戸惑ってしまうくらいだった。しかしまあこれで話は閉じず、キュウべえは随分レベルさがったしで、この宇宙そのものが消えるまで「愛蔵あふれる血みどろの闘争」が続くのだろうなあ。なんせ、少し油断すればまどかは「アルティメットまどか」に戻ろうとするわけで、ほむらはこれからずっとそれを抑えていかなくてはいけないのだし。
単純なポイントでも楽しいところは多い。「変身シーンやケーキの封印シーン」は絶対にマミさんがみんなに(半ば無理やり)やらせたんだろうなあとか(苦笑)。「マミさんとほむほむのガンカタ」は動きといい弾道の避けたか見方といい、動き・理論とも本当にガンカタやなあとか*2。「まどかがほむらの髪を三つ編みにし、それを完全に許すほむほむのシーン」はものすごく精神的にエロいとか。「ほむら軍団vsさやか旧魔女連合軍」は純粋に楽しいかったし。最終版のキュウべえとほむらの会話や映像はフラクタル理論と量子力学とビッグバン前後の宇宙理論をSF的に利用した感じだったし。つまりまだ見足りない。多分、また何かの機会に感想を上げると思う。
実はすでに都合3回見てしまっている。二回目は映像全体を、三回目は音をメインで見ている。でも、なんかまだ見足りないのでまだ見に行くことになると思う。おそらく、自分の中ではほむらの思考を完全にトレースしたい、という思いがあるように思う。映画を見ている自分を思い出すと、「ほむら以外はモブ」のような気持ちでずっと見ていたし。自分でもちょっと感情移入が過ぎると思っているけどさ。

でも。三回見て三回ともほむほむ色紙ってどーゆーことよ(苦笑)。5枚あってランダムじゃないのかよ!どんだけほむほむと縁があるんやwむしろ、誰か他のと交換してください、まじでw

*1:スイマセン。こういうブラックな展開大好きで。でも幸せにもなってほしいなあと考えている自分自身の葛藤もまた大好きで。どんだけSMやねん、自分w

*2:戦闘そのもの以外に、どの銃使ってるのかなーとか。