荒野のコトブキ飛行隊

今期終了分。最後半の盛り上がりがもっと前に来ていればなあ。
今季一番の期待株だったんだけど、残念ながら「及第点は上げられるけど、盛り上がったのかと言われればかなり微妙」というのが正直な感想。いや、航空機やそれに関する描写はすごかったよ。これは前評判通り。ジェット震電やら富嶽やら秋水(かな?)やらロマン兵器を出してくれただけでも大戦機ファンは大喜び間違いなしだし。
ただ肝心の物語がどうもねえ…。マカロニウエスタンを意識して、気楽に作っているのはわかる。ただそれがあだになって物語の一貫性が見えにくくなったのも事実。悪党をもっと早めに出してシンプルな対立構造を作っていた方がよかったんじゃなかろうか。あと先ほど褒めた飛行機周りだけど、これ「分かる人は大喜び」で終わってしまっているのが困りものだった。言ってみれば、ガルパンで言う秋山殿役がどこにもいなかったから、「各種様々な日本軍戦闘機の特色を生かした戦い方」というのがとってもわかりにくかった。せめてキャラのセリフの中でそれとなく「機体ごとの特色を生かした言葉」を入れてくれればよかったんだけど、それもほとんどなし(最終回で、紫電は小回りが利くから市街戦ができる、というセリフがもしかしたら唯一かも)。そのせいで、航空機に詳しくない一般アニメファンは作品の半分を楽しめない状態になっていたのは確か。戦車と違って、見た目の違いは分かりにくいしね…。
結局ユーハングが何かはわかったけど、穴とこの世界の関係については特に言及されることもなく幕が下りた。続きはゲームになるんだろうか。大仕掛けな設定を作ったのはいいけど、それが「日本軍機を別世界に持っていくため”だけ”の設定」になり下がっているのは残念な限り。多くの視聴者は「穴の向こうがどうなっているのか」とか「ユーハングとして存在した日本軍とはどういう存在なのか」とかあったと思うけど、それの回答は何一つ出なかったしね(円盤の特典書籍に掲載されたりするのかね)。
ともあれ…及第点は十分クリアしていたけど、個人としての期待値を超えることはなかったのが残念だったかな。もし二期があるなら、よりユーハングとの関係を強く前に出した作品にしてほしいな。