タイガーマスクW

タイガーマスクW 公式サイト - 東映アニメーション
今期開始第三弾。回顧主義以上の何かが見いだせるか。
元祖タイガーマスクから何年経ったっけ…その間にタイガーマスクがらみのアニメがあったようななかったような…。まあそれはともかく、タイガーマスクにプロレスという「刺さる層にしか刺さらない」題材を平成16年に扱ったその真意は何か。プロレス自体、かつてのどん底からはほんの少しくらいは盛り返している気はするけどあくまで「ほんの少し」。プロレス業界もいろいろ試行錯誤を繰り返しているけど、根本的に良くも悪くも脳筋集団なので武士の商法のような状態に変わりはなく。優秀なプロデューサーや、三沢のような存在もなかなか現れない状況からすると、これも苦肉の策なんだろうか。
ひとまず第一話は無難に終わらせたという感じではある。ミスターXがミスXになっていたり、若い視聴者向けに春奈というキャラを出してみたり(言動のすべてが浮いているのが気になるけど)と単純ではあるが今のアニメファンを取り込むことには気を使っている気はする。ここに親日プロレスの選手が絡んでくるのがどう動いていくのかわからないけど(実名登場、なのかな?)。というか、いま日本のプロレスにタイガーマスク(もはや何代目かわからんけど)っているのだろうか。

WWW.WORKING!!

「WWW.WORKING!!」公式サイト
今季開始第2弾。キャラは変わったけど中身は同じ。
原作未読。WORKING!が人気でたから続きを作った、ということなんだろうなあ。というか、何が本家で何が分家なのかもはやよくわからないけども。いちおうこっちはスピンアウト作品、なんだよな?まあ普段何気なく見てくすっと笑う程度の作品としては良い塩梅と思うけど。しかし第一話からキャラを出しすぎでは。ただでさえ名前を覚えるのが苦手なのに、もう容姿と性格でしか区別ができん…。

ブブキ・ブランキ 星の巨人

ブブキ・ブランキ 星の巨人 | BUBUKI/BURANKI
今季開始第一弾。相変わらず見ていて楽しい。
第1期も少年活劇ロボアニメ的な楽しさがあったので期待していたけど、その空気をそのまま持ってきてくれてうれしい限り。前作以上に、3Dキャラと2Dアニメの組み合わせがうまくなっていて、一部シーンでは「あれ、ここ2D?」と勘違いしてしまうほど。しかし、妹がこんなイケイケだったのかい(苦笑)。かあちゃんの貞淑さを少しは煎じて飲んでくれ…が、非常に面白い。きょうだいとの対面シーンが今から楽しみすぎる。にしてもこの台湾押し。「台湾角川」の文字をクレジットに見つけたので、向こうでもかなり人気があっての器用なのかなとも思う。台湾の日本アニメファンは嬉しいだろうな。
前回の後半での「世界ブブキ大戦」という設定登場は正直萎えてしまった一面は否定できない(し、今でも否定的)けど、まあこの入りであればさほど心配しなくても面白い作品に仕上げてくれる気がする。唯一の疑問は、第1期のラスボスだった万流チームがどうなったのか、ということかな。ブブキ使いのリタイアもあったわけで、そこが気になる(途中で、助っ人としてガイナ立ちしてデンドンしながら登場したら爆笑しながら拍手喝采だけど)。

クロムクロ

TVアニメ「クロムクロ」公式サイト
今季終了第5弾。P.Aらしいロボ物だったと思う。
一言でいえば、「地に足の着いたスーパーロボットもの」とでもいえばいいのか。日常を過ごすキャラたちの細かい描写を得意としてきたP.A.Worksがロボ物を作るとどうなるのか、の良い答えだったと思う。なんせ展開はひたすら地味だし、ロボは一発逆転の必殺技なんてまったくもっていない。主戦力ではあるけど、それは「二足歩行型戦車」から大きく外れるものでもなく、足元では警備兵や歩兵が小型機動兵器で普通に戦う当たり前の戦場。でも、そんな当たり前のような描写ができるアニメ作品は昨今あまりなく、それをP.Aがやったことに意味があると思う。
それにクロムクロやGAUSの動作も好き。最初に動くシーンを見た時に「コックピットの位置ができるだけ上下運動しないようにしている」ことに地味に感動したし(苦笑)。いわゆる”馬”が空中走行するほどの技術力があっても、コックピット部分の上下運動は重力制御で云々…で逃げなかったメカニックコンセプトに拍手。そしてそれに応じた戦闘の見せ方があったからこそ、最終決戦時の歩兵たちの動き方にも説得力が生まれた。某ガンダムみたいに「もうあいつ一人でいいんじゃないかな」というシーンがなかったからこそ、だ。
人物の心理描写は、メカ戦があったためか他作品よりも深堀はできなかったとはいえ、普段の作品が深堀し過ぎていたきらいすらあるので、案外と良いバランスだったと思う。だってねえ、普通のアニメ作品なら絶対に最後は「色々あったけど、二人で手を取って戦争に向かう」でしょ。それをああもあっさりなかったことにするのは、なかなかにないと思う。そして、それをやっても自然に納得してしまうP.A.Worksという会社作品の説得力(苦笑)。その後の話も入り口だけにとどめてそれ以降を描かなかったのも正しいと思う。第二期ではなく、ここで幕というのも良い選択かと。…いやまあ、わずか5年で恒星間航行宇宙船を実用レベルで組み上げて出発するのも笑えるけど、なんかそのあとは「トップをねらえ」のルクシヲンみたいに途中で攻められて轟沈…なんて未来すら見えてしまうし(おい)。
まあそんなわけで、外れ続きの今期においては(2クール作品だったけど)非常に気に入った作品だった。

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン

TVアニメ『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』公式サイト
今季終了第4弾。序章なのね。
原作未読。外れ続きの今期においては当たりだったと思う。いやまあ、精霊要素は必要だったのか、という疑問は今でも残っているけど。ミリタリー系の作品もここ1-2年増えて、そっち系が好きな自分にとっては嬉しいんだけど、その中でしっかりと「戦争での負傷や死」をごまかさずに描いたスタッフの判断は褒めたい。戦争を描いているのにこの辺りを伏せる、または見せないアニメ作品があまりにも多いからなあ。あのGateですら、自衛隊員の戦死シーンを丸ごとカットしていたし*1
とはいえ不満もある。旧来兵器と近代兵器の扱いと見せ方のアンバランスさは最後まで居心地が悪かった。気球で驚いている世界で、こうもあっさりとオーパーツレベルの個人携帯兵器がどんどん出現してしまうというのは、さすがに設定としてやりすぎではないかと思う。
そんなわけで、後半になって少し減速してきたかなと思ってきたんだけど、最後の最後で「負けるために戦え」のシーンでようやく本作で描きたかったことが分かって思わず「ほお」と嘆息した。俺様つえーでもなく、最初から無敵でもなく、「有能だけど(未来の)勝利のための(現在の)負け戦をやらされる」という視点はあまり記憶にない。俄然興味がわいてきたけど、それで物語が終わりだからねえ(苦笑)。多分、円盤次第で第2期が決まるけど、はっきりしないのでそのことはあえて発表しない、というここ一年の流行りだと思うけど。

*1:自衛隊の全面支援があったからこそできなかったのだろうけど。

ラブライブ!サンシャイン!!

ラブライブ!サンシャイン!! Official Web Site
今季終了第三弾。本歌取りをやりきれなかった感じ。
まあ正直、「ラブライブ無印を新声優を起用して焼き直そうとしたけど、風呂敷の畳方がよくわからないまま見切り発車してしまった」という印象がある。特に最終話の尻切れトンボ感はちょっとお粗末に過ぎる。せめて直後に「劇場版」「第二期」とか出てくるならまだいいんだけど、最後の最後に予選でミュージカル…まあこれはいいけど、それで廃校物語をなぜか今更説明し、在校生が周りでお祭り騒ぎをし、そのまま海岸でのイメージビデオ的なままフェードアウトで終わるというのは、いくらなんでも万策尽きすぎでは。
こうみてみると、結局ラブライブという作品は「キャラ萌え9割」であり、物語はそのおまけでしかないというのを改めて強く感じる。それでも元祖の第1期はそれなりに見ることができたように記憶している。でもそこまでで、今回のサンシャイン!!についても、あからさまなキャラ媚描写以外はかなり中身がなかった。せめて、廃校以外の理由を原動力にして動くべきだったと思う。それこそ、ミューズの存在も町や雑誌の広告程度に抑えておいて、あくまで新規グループとしての独立した何かを持った方が、作品としては絶対に良かったと思う。

マクロスΔ

今季終了第2弾。一体何をしたかったのか。
初代を含めてテレビシリーズは全部、それ以外もそれなりに見て楽しんできたけど、正直本作は盛大な肩透かしでしかなかった。というより、マクロスを作りたかったのではなく、二次元アイドルブームに乗っかろうという下心がスタートだったのではないかとすら邪推する。
いわゆる「歌と戦闘シーンのマッチング」というBGMの使い方そのものを、アニメ黎明期から物語構造そのものにしてきたのがマクロス作品群。その中にあってマクロスΔは「とにかくアイドルユニットを前面に出したい」ということだけが先行してしまい、ついには戦闘部隊よりも前で歌うことになってしまった。従来あったヴァルキリー等の戦闘ユニットを歌の力でバックアップ(またはブーストする)という方法論がひっくり返り、戦闘も歌もとにかくアイドルがいれば良いという状況を第1話で目の当たりにし、面食らうと同時に「これどうするんだろう」という不安を覚えた。そして結局その不安は最後まで解消されることはなかった。
正直、歌の力とバジュラネットワークの応用で銀河を支配・・・なんて話は、それまでの展開から考えると飛躍・蛇足もいいところ。予期せぬ打ち切りになったので、もう適当に風呂敷広げて撒き散らして終了します、という最終回にしか見えなかった。なんせ、結局物語上の謎も因縁も解決していないし、マクロスシリーズの醍醐味でもある恋の鞘当てすら、ヒロインもヒーローも揃いも揃って内気ばかりで、ラスト15分の危機的状況のヤケクソで叫んで余韻もなくくっついて終了。なんなの、これは。最終決戦の血湧き肉躍る興奮の坩堝はどこに行ったの。
本放送残り数分になって「きっとこれは第2期か劇場版で続き、なんだよな?(それで面白くなるかは全くわからないけど)」と思い始めて、エンドクレジット中それだけを待っていたのに、結局なんら音沙汰なし。まあ最近の販売は、終了直後はあえて何も言わないことが増えて切る気もするけども。が、ともあれ、少なくとも自分の中では「マクロスシリーズ」としては「最低の物語だった」としか言いようがない。