劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~

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(ラストシーンを見て)いや、これでフィナーレしちゃだめやん!(切実)
吹奏楽部員としては、もう演奏シーンだけでおなかいっぱい。特に二秒弱のティンパニ奏者のバックショット!ティンパニをずいぶん演奏した身としては、もうあのシーンだけで1時間リピート再生しても十分なくらい。ラストがああということは、「フィナーレ」といいつつも、劇場版かテレビ第三期を期待してもいいんだよな…。ぜひ見てみたいから、よろしく頼みます。
原作はあえて読まずにここまで来たけど、まあここまで見たら読んでもいいだろ、と思って調べたらかなり既刊とかスピンオフとかあるねんな。何よりキャラの大半が関西弁!ナニコレ素敵!このバージョンでも見てみたい!(まあ無理だろうけど。キャラの印象も変わるだろうし。でも音声ドラマとか副音声とかでやってくんないかなー)ひとまずスピンオフの立華高校から読むことにする。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち

今期終了分。なんか普通のアニメになってしまったな。
旧作は未視聴。前作は随所に制作陣の「こだわり(旧作へのこだわり、ミリタリー作品としてのこだわり、キャラ設定や外観変更へのこだわり)」が詰まっていて見ていて楽しかったんだが、今作は「とりあえず続き作りました」くらいで、演出もセリフも「べつにヤマトじゃなくてもええやん」と思ってしまうところが随所に。前作が終わった後に、ファンからぜひ続きを作ってほしいという声が多く上がったことは知っている。けど、これはそのようなファンが待っていた作品だったのかといえば正直疑問ではある。
ヤマト自体、もう作品としてはとても古いアニメだ。それにこだわりをもってファンでいられる層は筋金入りのアニメオタク、しかも初老以降の域に入っている人多数だ。そこまでこだわっていたファンに向けてまずは作品を作ればいいと思うのだが、実際には「より新しい視聴者層を」と欲目を使ったのが裏目に出たという感じがする。この作品に引っかかる層はすでに前作で引っかかっているだろうし、おまけに劇場とテレビで放映済み。そこに新しい客層向けに「普通にする」必要がはなかったんじゃないかな、と思う。まあ、力の入れ方と比較すれば、残念な作品になったというのが個人的な意見。

ケムリクサ

今期終了分。いやあ、素晴らしかった。
なかなか見る時間がなかったので事実上の一気見。そのせいで「考察」系を存分に楽しむことはできなかったとはいえ、それでも終末観のある内容やら「宇宙船地球号?」と思わせるセリフ、ケムリクサの仕様に関する様々な提示はワクワクさせてくれるに十分だった。さすがはたつき監督。
正直言えば、旅の道中であと2-3体は死んでしまうと覚悟をしていた。それだけ厳しい世界であったことに違いはなかったので。しかし結果を見てみると(おそらく)脱落は(事実上)なし。それどころか全編に愛があふれた作品にすらなっていた。単なる終末への物語ではなく、様々な細かい伏線の大半が愛という一点に収束た物語だったのがお見事としか言いようがない。自然の複雑さは意外とシンプルなところに答えがあると幼いころに何かの本で読んだことがあるが、まさにそれがこれかな、と。
さて、これでようやくネタバレOKになったから12.1話を見に行くか。

「令和」

何となく想像していたいくつかの候補とは全然違ってた。
「明治、大正、昭和、平成、令和」と並べると、令和がちょっと時代掛かっている感じがするかなあ。あとこれは単なる思込みだけど「和を令する」=「強制的な和」というイメージもあって、ちょっと怖いかな。全体主義というかなんというか。

荒野のコトブキ飛行隊

今期終了分。最後半の盛り上がりがもっと前に来ていればなあ。
今季一番の期待株だったんだけど、残念ながら「及第点は上げられるけど、盛り上がったのかと言われればかなり微妙」というのが正直な感想。いや、航空機やそれに関する描写はすごかったよ。これは前評判通り。ジェット震電やら富嶽やら秋水(かな?)やらロマン兵器を出してくれただけでも大戦機ファンは大喜び間違いなしだし。
ただ肝心の物語がどうもねえ…。マカロニウエスタンを意識して、気楽に作っているのはわかる。ただそれがあだになって物語の一貫性が見えにくくなったのも事実。悪党をもっと早めに出してシンプルな対立構造を作っていた方がよかったんじゃなかろうか。あと先ほど褒めた飛行機周りだけど、これ「分かる人は大喜び」で終わってしまっているのが困りものだった。言ってみれば、ガルパンで言う秋山殿役がどこにもいなかったから、「各種様々な日本軍戦闘機の特色を生かした戦い方」というのがとってもわかりにくかった。せめてキャラのセリフの中でそれとなく「機体ごとの特色を生かした言葉」を入れてくれればよかったんだけど、それもほとんどなし(最終回で、紫電は小回りが利くから市街戦ができる、というセリフがもしかしたら唯一かも)。そのせいで、航空機に詳しくない一般アニメファンは作品の半分を楽しめない状態になっていたのは確か。戦車と違って、見た目の違いは分かりにくいしね…。
結局ユーハングが何かはわかったけど、穴とこの世界の関係については特に言及されることもなく幕が下りた。続きはゲームになるんだろうか。大仕掛けな設定を作ったのはいいけど、それが「日本軍機を別世界に持っていくため”だけ”の設定」になり下がっているのは残念な限り。多くの視聴者は「穴の向こうがどうなっているのか」とか「ユーハングとして存在した日本軍とはどういう存在なのか」とかあったと思うけど、それの回答は何一つ出なかったしね(円盤の特典書籍に掲載されたりするのかね)。
ともあれ…及第点は十分クリアしていたけど、個人としての期待値を超えることはなかったのが残念だったかな。もし二期があるなら、よりユーハングとの関係を強く前に出した作品にしてほしいな。

エガオノダイカ

今期終了分。かなりの肩透かし。
昨今のタツノコアニメは出来が良いものが多いから期待してたんだが、この作品は久々に「外れ」に近い。何となくスタッフがやりたいことはわかるんだが、そこに至る積み重ねと最後の手段の唐突さに作劇場の強引さが強く感じられて、正直萎えてしまった。
Wヒロインシステム…のようなもので、敵味方に分かれて思想やら生死やらを語るのかと思っていたら、実際の接触はラストの一瞬だけ。それもかなり強引な舞台装置の上で、だ。まあ確かに「戦争を解決するために、その盤面ごとひっくり返す」というのは一種のカタルシスになるのはよくあること。しかし本作ではそれがあまりにお粗末に過ぎた。いっそ、攻防戦で姫様が死亡したうえで、何らかの理由で事の真実と意思をつないだヒロイン(兵士だけど)がその続きを担う、というくらいにした方がまだよかったのかもしれない。
放送開始当初、発想自体はそんなに悪くないと思ったのは事実だから、残念な作品になってしまったというのが正直な感想だ。

ローリング☆ガールズ

ロリガ・ロック・ベスト!~Songs of the mob,by the mob,for the mob~/The Rolling Girls
過去作視聴(2015)。なんだ、気持ちのいい良作じゃねえか。
The BlueHeartsの曲に乗せて各地で事件(?)を解決(?)していく青春ロードムービー。最初の数話こそ舞台装置に疑問を持っていたけどそれは単なる仕込みとわかったとたんに一気に気持ちの良い作品になった。主人公たちはまさに「モブ」であり特殊な能力は持たない少女たち。それがバイクに乗って全国に助っ人(?)に行く。ここでよいのは、あくまで「助っ人」であって、それを解決するのは現地の人たちだということだ。しかも彼女らは残念なくらいに力そのものは持っていない。だから彼女らでできる全力で各地の「猛者」やその仲間たちを助けていく。その過程が良い。最後も仲間との別れだというのにしんみりしないのがまたいい。すっきり爽やかな別れのシーンを描けるのは昨今珍しいといえるんじゃないだろうか(4年前の作品だけどさ)。
個人的にはBDは特には欲しくないけど、劇中歌はとてもほしくなった。オリジナルでもカバーでも何でもいい。どの歌も「傷だらけ、泥だらけになっても、笑って真っすぐ走ろうぜ」という人間賛歌なロックばかりだ。こんなに気持ちのいいアルバムはそうはないだろう。
4年前、当時の評価はどうだったのかな。サイケな色調で彩られた作品に序盤ドロップした視聴者も多そうだったけど、最後まで完走した人の満足度は高かったんじゃないのかな、と思う。