機動戦士ガンダムSEED DESTINY

何も解決しなかった。何も進まなかった。ただ脚本家の暴走のみが目についた作品で、史上希に見る駄作だった(しかもこの作品には曲がりなりにも『ガンダム』の看板を背負っている)。生まれていくつもアニメを見てきたけど、「視聴時間を返せ!」と思ったのはこの作品が初。
脚本はすでに崩壊していたけど、脚本家自身はそうは思っていない雰囲気があるのが恐ろしかった。監督は何かご立派なテーマを掲げていたけど、その数千万分の一も表現できていないことに気がついているのだろうか。監督と脚本を永久追放しない限り、この作品の続編は絶対に作ってほしくない。視聴者を舐めるのも、ここに極まれり。
もはや、この作品は「キャラだ、メカだ、物語だ」という作品自体への評価は行うに値しないと思う。過去のガンダムにおいてはいろんな人が、いろんな考えで議論を闘わせていたものだが、この作品はそのような議論をすること自体が「時間の浪費」と思わせてしまう。必然、作品の外側であるスタッフに視点が行かざるを得ない。そして、それについては「元凶たる監督と脚本家以外は、皆よくここまで頑張ったなあ」と思う。
ただ、このアニメで「バンク(BANK:過去に使用した素材の使い回し」という言葉の意味を骨の髄まで理解できたのが、ささやかな収穫だったのかもしれない。