ヴァルハラ・コネクション

北欧ゲルマン神話に興味を持ち始めた人が、ちょいと息抜きに読むと面白いかもしれない一冊。逆に、世界史で大量の人名に苦しめられた人は読むとすぐ混乱するかもしれない一冊。何にせよ、この小説を読む前に北欧神話の基礎知識を身につけた方が何倍も楽しめるはずです。あと主人公は日本人だけど八百万の神は出ませんので、北欧ゲルマン神話と日本神話のコラボを期待した方はご愁傷様。
今の世にヴァルハラがあるなら、まさにこの小説の通りになっているんだろうなあ。そして、「すべてが決まり切っている退屈で危険な世界」に対する主人公の感想は、現代日本の若者なら大抵が共感しうる物と思います。あ、あと時事ネタもかなり新しい物が仕込んであります。が、1年経ったらどれもさび付いている程度の物ばかり。そんなわけで、扱っているネタ元はかなり骨太ですが、内容はライトです。続編は・・・む〜ん。