風営法改正

今更ではあるが、よく見に行くエロゲメーカーのHPに「直接通販は当分辞めます」とあるのに気がつく。調べてみると、同様に7/31を持って一時中止と書いてあるメーカがぞろぞろと。何事かと思ったら「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」が改正された影響とか。この改正、本来は違法風俗店の取り締まり強化とさらなる出店規制がメインのはずなんだけど、そのとばっちりがエロゲメーカーを直撃しているというのがその理由。というのも、「第二条の6第五項」が「店舗を設けて、専ら、性的好奇心をそそる写真、ビデオテープその他の物品で政令で定めるものを販売し、又は貸し付ける営業」・・・平たく言えば通販*1・・・になっているため(注意:エロゲの制作自体には何ら問題がない)。ただし、この部分はこれまでも同様だったらしいけど罰則規定や関係メーカーへの周知が緩かったため、届け出をしないまま(「法律自体を知らなかった」可能性も高いけど)通販していたらしい。しかし、今回罰則が強化されてそうも言っていられなくなったと。で、ここでの最大の問題ってのはこういうことだろうと想像。

  • 以前の風営法に沿って届け出ていた所も、再度の届け出が必須とのこと。
  • エロゲ通販実施→「無店舗型性風俗特殊営業」に該当→公安委員への届け出→申請条件として「風俗を扱っている場所であることを地域に明示」が必須
  • エロゲメーカーなんてアリスソフト見たいな自社ビル持ちの大御所を除けば、どこも賃貸マンションの一室で地道に作っているところが大半だろうし、周囲にエロゲメーカーであることをはっきりと教えている会社も少ないはず。(賃貸を断る大家、周辺住民からの反発も十分考え得るし)
  • そのリスクを覚悟で公表&申請することと、強化された罰則覚悟で"違法通販"を強行することと、通販の中止で天秤にかける

それらを鑑みて、中止になるメーカーが増えたのだろうと思う。メーカー特典にはあまり興味はなかったけど、市場在庫が少ない製品を購入できる機会が失われるのは残念。まあ、どこも通販を扱う流通業者に委託することになるとは思うけどね。
・・・あ、そうそう。これ、別に商業に限るわけではなさげなので(法律の文言をそのまま使えば「エロ商品の通販」は全て適用)「エロ同人を自主通販している同人サークル」にも適用されてしまうっぽい。でもこのこと知っている同人サークルなんてほとんどいないと思うんだよな。・・・また、性犯罪の際のスケープゴートにされてしまうんだろうな。今度は「風営法違反」なんてレッテルまで付いて。嫌な世の中だ。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 - Wikipedia
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律・・・「法令データ提供システム/総務省行政管理局」より

*1:「無店舗型性風俗特殊営業」とか言うそうな