.hack//黄昏の碑文II

.hack//黄昏の碑文  II (角川スニーカー文庫)

.hack//黄昏の碑文 II (角川スニーカー文庫)

む〜、過去作品でさんざっぱら意味深な言い回しをしてきたキーアイテムがこういう感じで意訳されてしまうと、なんとも残念な感じではある。いや、ライトファンタジーとしては特に問題はないと思う。ハロルド・ヒューイックの孤独感と黄昏の碑文を作るに当たっての根源的な感情が書かれたという点でも、面白い視点だと思うし。ただ、これまで妙な"重さ"で表現されていた黄昏の碑文が、「これなの?」という微妙な失望感は隠せない。.hack//シリーズの最大の謎に切り込んだというのはとても良いんだけど、それをするなら完全に.hack//シリーズが完結してからでも遅くないと思う。未だ実態はよく分からないけど、新作の.hack//シリーズの存在もほのめかされているわけだし、ここで多少なりともネタ晴らしに入ったというのは、いったん完全にリセットするつもりなのかな。これまで長いこと関わってきた作者の川崎さんも「ひとまずこれで縁が切れる」という言い方しているし。むう。