国籍法改正・・・?
衆議院で全会一致で可決したようで、事実上成立と言うことになるんだと思う。非常に残念だと思う。
そんな気持ちではてなを見ていたら、今回の懸念点について「俺も最初は慌てたけど、冷静に確認してみたら案外大丈夫っぽいよ?」ということをこちらのエントリで説明されている方がいらっしゃった。出発点が自分と近いところにいらっしゃるっぽい方なので、いろいろと参考になる情報が揃ってると思う。こちら経由で提示されている情報だけを見れば、「なるほど、確かにおっしゃるとおりだ。焦って損した」と思えてくる。少なくとも、理屈の上では、確かにこちらのエントリと、そこから張られている各種リンク先にあるとおりだと思う。
・・・のだが。本当に安心して良いのかどうか。
個人的に非常に疑問なのは、今回の審議の進め方があまりに早すぎたことだ。確かに最高裁で違憲判決が出た以上は、それなりに対応をする必要はあるのだろう。しかし、以下の点で、やっぱり不安は払拭されない。
- こちらの産経ニュース記事にあるように『衆院議員らにとって、「ほとんどの人が法案の中身を知らない」(自民党議員)』状態になるほどの速度で閣議決定されてしまうというのは、一体どういう事態なのか*1。
- 法案の意義について疑問を呈する議員が出てきたときに、自民党の村田吉隆国対筆頭副委員長が「トゥー・レイト(遅すぎる)だ」と、勝利者のごとくわざわざ声高にパフォーマンスをしたのは何故か。
- Googleニュースで検索をすると、「国籍法改正が成立した」等のニュースを除くと、この国籍法に関する記事が非常に少ない。軽いテーマではないはずなのに、それを報道するメディアが異常なほどに少ないのは何故か。
法案を取り巻く周囲の動きががあまりにきな臭すぎるのだ。少なくとも「違憲判決も出てしまったし現状に合わせて法律を修正していきましょう」という謙虚な気持ちが微塵も感じられない。
法律というのも所詮は道具でしかない。つまり、使う人の意図次第だ。今回の法案の悪用懸念についても「これまでの国籍法がそうだったのだから、今更騒ぐなんておかしい」として「今の世に沿った内容に変更するのだからむしろ良い」という考え方は間違ってはいないと思う。しかし、残念ながら人の意志・思い・知恵、そして倫理が国籍法成立当時と同じかと言えばそうではない。むしろ「悪知恵」「兵器の飛び交わない戦争」という意味では、現在は遙かに悪質になってきている。そして、間接的とは言えメディアがその手段を展開していること*2、さらに懸念点に対して明確な説明や反論が”公人から”なされていないこと*3・・・いったい、どこに安心材料があるというのだろうか。対馬の自衛隊基地や横須賀の米軍基地を見下ろせる場所を、韓国や中国・ロシア籍の企業や人々によって買収されつつあるという事実すらあるというのに。
重ねて言うが、法を運用するのは結局のところ「人」である。今回のような強引な対応を推し進める人々によって、国の根幹に関わる法案の一つが半ば強引に決定されることは、「喜ばしいこと」なのだろうか。残念ながら、自分はそうは思えない。