ミチコとハッチン

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今期終了第9弾。見事にロードムービーをやりきった。
間違いなくDVDは売れないと思うけど、ラテンの陽気かつ暴力的な空気を否定することなくそのまま書き込んだ上で、きちんとしたロードムービーに仕上げたことはたいした事だと思う。もともと監督(女性)がやりたいことを詰め込んだ、というだけのことはある。途中のストーリーやラストの展開についても、日本でギャルアニメ等の観点で行けば眉をひそめるくらいの内容だけど、これまでずっとこの番組を見て(いろんな意味での)ラテンらしさをなんとなく理解している視聴者にとっては「まあ、こんなものでしょう」と納得できる内容になっているのが、どこかもの悲しく、そして楽しい。
物語のキーになっていたヒロシがああいう男であり、ミチコとハッチンの親子を越えた信用というか信頼こそが物語のテーマである部分は女性監督らしい見識と言えるかもしれない。一途に思われていたヒロシが幸せだったのか、そうでないのかは最後まで分からなかったけど。やっていることは色々派手だけど、作品としては地味に知られないまま歴史の影に埋もれて行くことになるんだろうな・・・それだけが、少し寂しい。